劉備(りゅうび)の消息を知った関羽(かんう)は二夫人らを伴い、ついに許都(きょと)を去った。
しかし、この動きをつかんだ曹操(そうそう)配下の部将たちが、各地で関羽一行の通過を阻もうとする。
第25話の展開とポイント
(01)丞相府(じょうしょうふ)
曹操が避客牌(ひかくはい)を使い、暇(いとま)乞いに来た関羽に会うことを避ける。
(02)張遼邸(ちょうりょうてい)
張遼も病と称し、関羽に会うことを避ける。
(03)関羽邸
やむなく関羽は、漢寿亭侯(かんじゅていこう)の印章を屋敷の梁(はり)に掛け、曹操から贈られた金銀や玉、使用人をすべて残したうえ、劉備の二夫人らとともに立ち去る。その際、曹操に宛てた書簡を残す。
(04)丞相府
曹操のもとに、関羽が馬車を伴い南門を突破したとの報告が届く。
(05)許都の郊外
曹操が関羽一行を追いかけて別れの挨拶を交わす。この際、曹操は関羽に綿入れを授ける。
(06)古城県(こじょうけん)
張飛(ちょうひ)が県の役所を乗っ取り、県令(けんれい)を門番や帳場係として使う。
張飛がチョウサン(?)とリジ(?)の言い分を聴き、自ら裁きを下す。
チョウサンから500銭を借りて返さなかったうえ、彼を殴ったリジは鞭打ち30回。なぜかチョウサンもリジに殴り返さなかったとして鞭打ち10回。最終的には10回上乗せされて鞭打ち20回に……。
張飛のもとに、関羽が曹操のもとに身を寄せたとの報告が届く。
続いて張飛のもとに、関羽が曹操に投降したうえ、袁紹(えんしょう)配下の顔良(がんりょう)や文醜(ぶんしゅう)を討ち取る手柄まで立てたとの報告も届く。関羽は曹操の上奏により官爵を授けられ、漢寿亭侯に封ぜられたとも。
これらの報告を受けた張飛は大暴れし、役所内の桃園を荒らす。
(07)東嶺関(とうれいかん)
関羽が通行を拒まれたため、守将の孔秀(こうしゅう)を討ち取って関を通過する。
★ここで孫乾(そんけん)が孔秀に、「漢寿亭侯関羽が通行の許可を求める」と呼びかけるシーンがあった。印章を屋敷の梁に掛けてきた(爵位を捨てる意思を示した)のに漢寿亭侯を称している。これはまずいと思う。
(08)洛陽関(らくようかん)
孟坦(もうたん)が韓福(かんふく)の進言を容れ、関羽の通行を阻むべく、伏兵として歩弓手を配置する。
韓福は関羽に挑むが相手にならず、関内へ逃げ込む。関羽は単騎で韓福を追い、待ち受けていた孟坦を討ち取る。こうして関羽一行は洛陽関を通過した。
★ここでは関内に逃げ込んだ韓福が関羽に討たれるシーンはなかった。韓福はどうなったのだろうか?
(09)沂水関(きすいかん)
卞喜(べんき)が関羽を出迎えて挨拶し、すんなりと関の通過を許す。
★ここで卞喜が関羽に「漢寿亭侯関将軍でいらっしゃるか?」と呼びかけ、関羽が「いかにも」と応じていた。やはり印章を置いてきたのに漢寿亭侯で通っている。
★また、卞喜が関羽との会話の中で、東嶺関の孔秀と洛陽関の韓福が殺されてしまったことも知っていると話していた。直前の(08)の洛陽関のシーンではわかりにくかったが、孟坦だけでなく韓福も討たれたという設定のようだ。
卞喜が関羽一行を鎮国寺(ちんこくじ)に誘い込む。
(10)鎮国寺
関羽が普浄(ふじょう)と言葉を交わし、同郷であることを知る。普浄は関羽に、それとなく危機が迫っていることを伝える。
★ここで普浄が関羽の出身地について、「河東(かとう)解良(かいりょう)と伺った」と言っていたが、正しくは河東郡の解県(かいけん)である。
関羽が法堂で卞喜を討ち取る。
(11)界首(かいしゅ)の渡し
夏侯惇(かこうとん)が兵をひきいて現れ、関羽に一騎討ちを挑む。
★この時点で夏侯惇は隻眼だったが、彼が片目を失うに至った経緯には触れられていなかった。
一騎討ちの最中、伝令の兵士に続いて張遼も駆けつけ、関羽の通行を許すようにとの曹操の命令を伝える。
★この後、道中で孫乾が関羽に、「ここから80里行けば汝南郡(じょなんぐん)。そこを過ぎれば冀州(きしゅう)のシュフ(首府?)です……」と言っていた。『三国志演義』と同様に汝南郡の位置を誤認している。なぜ許都から冀州へ向かうのに、汝南を通る必要があるのだろうか?
関羽の前に「天公将軍(てんこうしょうぐん)張角(ちょうかく)」を名乗る男とその仲間たちが現れる。しかし、すぐに別の男が出てきて自称張角を斬り殺す。
管理人「かぶらがわ」より
関羽が去ったことを残念がる曹操は、やるせなさがよく出ていて見応えがありました。
この第25話はチョイ役の登場が多くてややこしかったです。
関羽の五関突破は五関分を描いていないようでしたが、今回の放送でカットされたシーンがあるのでしょうか? こういうところは製品版も観てみないとわかりませんね。
製品版について
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監督:ガオ・シーシー 脚本:チュウ・スージン 国内販売元:エスピーオー
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記事作成にあたり参考にさせていただいた各種文献の詳細は三国志の世界を理解するために役立った本(参考文献リスト)をご覧ください。
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