数々の困難を乗り越え、ようやく古城県(こじょうけん)で再会を果たした劉備(りゅうび)・関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)。
ここで劉備は冀州(きしゅう)の袁紹(えんしょう)のもとへは戻らず、荊州(けいしゅう)の劉表(りゅうひょう)を頼りたいとの考えを話す。
第26話の展開とポイント
(01)河北(かほく)へ向かう関羽
張角(ちょうかく)を名乗った男を斬り殺した男が「周倉(しゅうそう)」と名乗る。
この周倉が関羽に仕えたいと願い出る。関羽は劉備の二夫人の許しを得て、周倉ひとりという条件で随行を認める。
★ここで周倉は一味を解散して砦も焼き払ったうえ、単身で関羽に随行したという設定になっていた。
(02)古城県
張飛のもとに、周倉が関羽を伴って現れ、城外で大声を張り上げているとの知らせが届く。張飛は城外へ飛び出し、関羽に襲いかかる。
関羽が張飛に曹操(そうそう)に帰順した経緯を説明していたところへ、(曹操配下の)蔡陽(さいよう)が兵をひきいてやってくる。
★ここで蔡陽が関羽に「甥の秦琪(しんき)を殺したのはお前か!」と尋ね、関羽が「いかにも。この関羽が殺(あや)めた」と応じていた。このドラマでは関羽が秦琪を討ち取ったシーンがなく、わかりにくかったと思う。
関羽は蔡陽を討ち取り、張飛の誤解を解く。
(03)冀州
袁紹のもとに、関羽が曹操のもとを去ったとの報告が届く。
袁紹は劉備に、関羽が汝南(じょなん)に着いており、張飛も一緒にいると伝える。劉備は袁紹の命を受け、汝南へ向かう。
許攸(きょゆう)は真意を見抜き、出発しようとしていた劉備を城門で呼び止める。
許攸は、落ちぶれた劉備がなお曹操と戦おうとしている様子を見て、兄弟(関羽と張飛)と再会したらすぐに劉表に会い、曹操を討つよう説得してほしいと頼む。
劉備は許攸に同じ考えを持っていたことを告げる。許攸はこのまま行かせることにし、劉備の出発を見送った。
(04)冀州へ向かう関羽・張飛の一行
関羽と張飛らが、道中の関定(かんてい)の砦で趙雲(ちょううん)と再会する。
★ここで趙雲が関羽と張飛に、「徐州(じょしゅう)で敗れた後、主君が見つからなかったゆえ仕方なく幽州(ゆうしゅう)へ戻り、公孫瓚(こうそんさん)の兵馬を3千ほどひきい、戻って参った」と話していた。
(05)関定邸
関羽が関定の申し出を受け入れ、関定の息子の関平(かんぺい)を養子として迎える。
糜芳(びぼう)が関定邸を訪ね、劉備が冀州を出て汝南へ向かったことを皆に知らせる。
(06)古城県
劉備が関羽や張飛らと再会する。劉備は皆に、このあと荊州の劉表に会いに行く考えを話す。
★ここで劉備が関羽・張飛・趙雲に、「10年前、我ら三兄弟は桃園で契りを交わし、今日(こんにち)、我ら四兄弟、古城の桃園で相まみえた……」と言っていた。先の第2話(03)では「桃園の誓い」を184年の出来事と設定していたが、それから10年経ったのなら194年ということになる。
しかし、先の第24話(06)では白馬(はくば)の戦いを199年の出来事としていたので、この一事だけ見ると時代が合わない。とはいえ、劉備が皆と再会する場所を古城の桃園とし、「桃園の誓い」を想起させたのは新味。魅せる設定だったと思う。
(07)江東(こうとう)
韓当(かんとう)が孫策(そんさく)に、呉郡太守(ごぐんたいしゅ)の許貢(きょこう)から入手したという曹操あての密書を披露する。孫策は許貢の首を取るよう命ずる。
(08)冀州
袁紹のもとに、劉備が汝南で皆と再会した後(冀州へは戻らず)、そのまま数千の兵をひきいて西へ向かったとの知らせが届く。
袁紹は郭図(かくと)に命じ、5千の騎兵で劉備を追わせようとしたが、許攸になだめられて思いとどまる。
そこへ袁譚(えんたん)が10万の兵をひきいて青州(せいしゅう)より、袁熙(えんき)が15万の兵をひきいて幽州より、袁尚(えんしょう)が15万の兵をひきいて幷州(へいしゅう)より、それぞれ駆けつけたとの知らせが届く。
★ここでは袁譚が青州刺史(せいしゅうしし)、袁熙が幽州刺史、袁尚が幷州刺史という設定になっていた。『三国志演義』では幷州刺史として高幹(こうかん。袁紹の甥)を登場させていたが、このドラマでは代わりに袁尚を充てている。袁紹の3人の息子たちを並べて登場させようという意図だろうか?
袁紹が軍議を開く。この席で3人の息子たちがそれぞれ先鋒を願い出る中、袁紹は自ら先鋒を務め、2日後の正午に曹操討伐のため出陣すると宣言した。
管理人「かぶらがわ」より
再会、また再会の第26話。結局、袁紹は劉備にうまくかわされてしまいました。
このドラマでは『三国志演義』や正史『三国志』の設定をだいぶ変えているので、しっかり観ていかないと訳がわからなくなります。
一方、これだけイジりながら話の大筋が破綻していないのは、さすがだとも思います。
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監督:ガオ・シーシー 脚本:チュウ・スージン 国内販売元:エスピーオー
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記事作成にあたり参考にさせていただいた各種文献の詳細は三国志の世界を理解するために役立った本(参考文献リスト)をご覧ください。
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