『三国志 Three Kingdoms』の考察 第16話「呂布、徐州牧となる(りょふ、じょしゅうぼくとなる)」

献帝(けんてい)の詔(みことのり)を受け、呂布(りょふ)は正式に徐州牧(じょしゅうぼく)として認められる。

一方で曹操(そうそう)も勅命を奉じ、自ら大軍をひきいて袁術(えんじゅつ)討伐に向かったが、加勢に駆けつけた劉備(りゅうび)と数千の軍勢を、熟慮の末に迎え入れる。

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第16話の展開とポイント

(01)許都(きょと)

曹操が荀彧(じゅんいく)に命じ、討賊の檄文(げきぶん)を天下に布告させる。

また、曹操は郭嘉(かくか)に命じて詔を作らせ、袁紹(えんしょう)・劉表(りゅうひょう)・呂布・馬騰(ばとう)・公孫瓚(こうそんさん)に対して、詔を受けたらただちに出兵し、討伐軍に加勢するよう伝えさせる。

そして曹操は曹洪(そうこう)と許褚(きょちょ)を正副の先鋒とし、2万の軍勢を預ける。さらに曹仁(そうじん)を中軍先陣、夏侯惇(かこうとん)を後陣とし、18万の軍勢を預ける。

その翌日、献帝は曹操をゴコク大将軍(護国大将軍?)に任じ、曹操自ら袁術討伐のため出陣する。

(02)行軍中の曹操

曹操の車を引く馬が雉(キジ)に驚き、暴走して麦畑を踏み荒らす。曹操は主簿(しゅぼ)を呼び、自ら軍法を犯したとして斬るよう命ずる。

結局、曹操は荀彧になだめられ、自分のまげを切り落として首の代わりとし、後日の勝利で罪を償うことにする。

(03)徐州

呂布のもとに袁術の使者が着き、太子となった袁術の息子と呂布の娘との縁組みを申し入れる。

呂布はその場で承諾したが、話を聞いた陳宮(ちんきゅう)は袁術の使者を説き伏せ、礼に従うとの名目で輿入れを1年後に引き延ばす。

呂布のもとに勅使が到着。呂布は詔により徐州牧に任ぜられ、袁術討伐の出陣を命ぜられる。

このシーンでは勅使が徐州牧の席を背にしており、先の第13話(10)の時よりしっくりきた。ただ、呂布と陳宮はひざまずいていたものの、勅使が立っていた床は同じ高さだった。

(04)曹操の軍営

劉備が数千の兵をひきいて到着。曹操は荀彧・郭嘉・程昱(ていいく)の3人に、劉備を用いるべきか意見を聴く。

荀彧は殺すようにと言い、郭嘉は殺さないようにと言い、程昱は今は生かしておき、後に殺すようにと言う。曹操は熟慮の末、劉備を出迎える。

(05)寿春(じゅしゅん)

袁術のもとに、紀霊(きれい)と橋蕤(きょうずい)が関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)に討ち取られ、寿春は曹操軍に包囲されたとの知らせが届く。

袁術はチョウイ(?)とリョウホウ(?)に虎賁軍(こほんぐん)を預け、雷薄(らいはく)には包囲を突破し、淮南(わいなん)の各鎮将軍に援軍を要請するよう命ずる。

袁術は先生の助言に従い、兵糧に不安を抱えて短期決戦をもくろむ曹操に対し、籠城して長期戦に持ち込もうとする。

先の第14話(02)から登場した「先生」。ここでも字幕での紹介がなく、依然として誰なのかわからない。

(06)曹操の軍営

兵糧官が曹操に窮状を報告。曹操は小さい升を使って兵糧を配るよう命ずる。しかし兵士の間に不満が高まり、陣中に動揺が広がる。

曹操は兵糧官に横領の罪を着せて処刑し、陣中の騒ぎを鎮める。そのうえで残った食糧と酒を兵士に配り、3日以内に寿春を攻略するよう厳命した。

(07)寿春

曹操が寿春を陥し、袁術は3万足らずの兵とともに淮南へ敗走する。

劉備は曹操の誘いを断り、小沛(しょうはい)への帰途に就く。曹操も全軍に許都への帰還を命ずる。

管理人「かぶらがわ」より

まげを切り落とす曹操と、兵糧官に罪を着せる曹操。小ネタを絡めた第16話でした。

背後に曹操が見え隠れする詔には従わないという、したたかな諸侯たち。そして詔と聞けば必ず駆けつける劉備。

確かに劉備の姿勢にはブレがない。これが彼の弱みになったり強みになったりするわけですけど……。

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記事作成にあたり参考にさせていただいた各種文献の詳細は三国志の世界を理解するために役立った本(参考文献リスト)をご覧ください。

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