曹操(そうそう)配下の夏侯惇(かこうとん)ひきいる軍勢が新野城(しんやじょう)に迫ってきた。
諸葛亮(しょかつりょう)は劉備(りゅうび)の佩剣(はいけん)と兵符を借りたうえ、諸将に的確な命令を下して曹操軍を撃退する。
第35話の展開とポイント
(01)西暦208年 新野
関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)が昼間から飲んでいたところ、孫乾(そんけん)が夏侯惇の新野城への来襲を伝える。
しかし張飛は孫乾に、「孔明(こうめい。諸葛亮のあざな)に迎え撃たせろと兄者(あにじゃ。劉備)に伝えてくれ」と言い、関羽ともども立ち上がろうとしない。
そこへ今度は劉備が現れ、ふたりに曹軍が樊城(はんじょう)に迫っていると伝え、迎え撃つ準備を命ずる。
すると張飛は、水(諸葛亮)を使って戦うよう皮肉を言う。劉備は張飛の耳を引っ張って叱り、関羽も謝罪する。
★ここで、なぜ先に来た孫乾が新野城を挙げ、後から来た劉備が樊城を挙げていたのかよくわからなかった。
諸葛亮が劉備から佩剣と兵符を10日間だけ借りたうえ、皆に命を下す。
関羽は1千の兵をひきいて予山(よざん)に潜み、敵が来たら通す。そして南に火が見えたら、兵糧や輜重(しちょう)部隊を攻撃するよう命ぜられる。
張飛は1千の兵をひきいて安林(あんりん)に潜み、南に火が見えたら博望城(はくぼうじょう)へ向かい、城中の兵糧や武器を焼き尽くすよう命ぜられる。
関平(かんぺい)は火種を携えて博望城で待機し、張飛の軍勢が来たらともに火を放つよう命ぜられる。
糜芳(びぼう)は樊城の趙雲(ちょううん)を呼び戻すよう命ぜられる。また、その軍勢を前方に置いて応戦するが、勝ってはならないとも。
劉備は鉄騎3千をひきいて指揮を執り、後方支援を命ぜられる。
ここで関羽が諸葛亮自身の動向を尋ねると、彼は城を守ると答える。これに張飛も不満を述べるが、諸葛亮が劉備から借り受けた剣と兵符を前にして引き下がる。
出陣しようとしていた劉備を劉琦(りゅうき)が訪ね、蔡瑁(さいぼう)が重病の劉表(りゅうひょう)に会わせてくれず、蔡氏一族が何か企んでいるようだと訴える。劉備は劉琦に、諸葛亮に迫り、良策を出してもらうよう勧める。
(02)襄陽(じょうよう)
劉琦が諸葛亮を官邸に招く。劉琦は「上古の兵書をご覧いただき、教えを乞いたいと思っております」と言い、高楼の2階に案内する。
★ここで出てきた「リクゴウジンポウショ(六合陣法書?)」というのがわからなかった。
劉琦は家僕に梯子(はしご)を外させたうえで、諸葛亮に保命の良計を乞う。やむなく諸葛亮は、蔡瑁の策に乗り、襄陽を出て江夏(こうか)の守りに就くよう勧める。
(03)新野
関羽と張飛が諸葛亮に大勝を報告し、これまでの態度を改める。
★この博望坡(はくぼうは)の戦いについては、諸葛亮が皆に細かい指示を与えていたわりに実戦に関連するシーンがなかった。そのため関羽と張飛が諸葛亮への態度をいきなり改めたように映り、違和感があった。
諸葛亮が劉備に、重病の劉表から襄陽を奪うよう勧める。だが、劉備は聞き入れようとしなかった。そこへ襄陽から使者が着き、劉表が危篤に陥り、劉備を呼んでいると伝える。
(04)襄陽
劉表が劉備に荊州(けいしゅう)9郡を託そうとするが、引き受けてもらえなかった。
(05)襄陽城 城門
劉琦が江夏から駆けつけたものの、蔡一族に門前払いされる。
(06)襄陽
劉表のもとに、曹操が50万の大軍で攻め寄せ、新野まで80里足らずであるとの知らせが届く。劉備は劉表に挨拶し、趙雲とともに新野へ帰る。
(07)新野
劉備が新野へ戻ったところ、諸葛亮から樊城が攻め落とされたことを知らされる。諸葛亮は劉備に、新野を捨てて江夏へ退くことを進言し承諾を得る。
諸葛亮が皆に命を下す。
関羽は3千の兵をひきいて白河(はくが)の上流へ行き、土のうで流れをせき止める。明日の子(ね)の刻に下流で人馬の気配がしたら、放水して敵を攻めるよう命ぜられる。
張飛は3千の兵をひきい、水流の穏やかな博陵(はくりょう)の渡しで待ち伏せ。逃げ込んできた敵を猛攻撃するよう命ぜられる。
趙雲は3千の兵を4つに分け、新野の東西南北の各門にそれぞれ配置。敵が入城後に民家で休み始めたら、大風が吹くのを待って城内に火矢を放つ。城内が火の海と化したら各門に配置した兵に合図し、敵を東門に追い込むよう命ぜられる。
関平と劉封(りゅうほう)は2千の兵に赤と青の旗を持たせて鵲尾坡(しゃくびは)で待ち伏せ。敗残兵が逃げてきたら赤と青の兵が左右に分かれ、旗を振って騒ぎ立てる。不審に思い白河に撤退する敵に追い討ちをかけ、博陵へ行かせるよう命ぜられる。
★ここでいきなり劉封が登場。関平の時(第26話〈05〉)とは違い、劉封が劉備の養子になった経緯の説明はなかった。
劉備が諸葛亮に、江夏へついてくる民も一緒に連れていくよう命ずる。
★ここで諸葛亮が劉備に、江夏への道のりが280里を超えることや、老弱の民が一緒では日に30里も進めないことを話していた。
(08)襄陽
劉表が亡くなり、蔡一族の意向で劉琮(りゅうそう)が跡継ぎとして立てられる。劉琮は蔡瑁の進言に従い、朝廷(実質的には曹操)への帰順を決める。
(09)襄陽城 城門
曹操が到着。天子(てんし。献帝〈けんてい〉)の詔(みことのり)を受けて劉琮を荊州刺史(けいしゅうしし)とし、襄陽侯に封ずる。
管理人「かぶらがわ」より
諸葛亮の細かい命令を追いかけるのが大変だった第35話。今回放送されているのは吹き替え版なので、セリフから地名をチェックするのも手間がかかります。
劉表からの荊州譲渡の申し出を受けなかった劉備。結局、劉表の跡を継いだ劉琮がすぐに曹操に降伏してしまいました。何だかなぁ……。
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