『三国志 Three Kingdoms』の考察 第56話「再び周瑜を怒らせる(ふたたびしゅうゆをおこらせる)」

劉備(りゅうび)が孫小妹(そんしょうめい)を連れ南徐(なんじょ)から逃げたことがわかると、すぐさま周瑜(しゅうゆ)も兵をひきいて追いかける。

しかし、劉郎浦(りゅうろうほ)で追いついたと思う間もなく、荊州(けいしゅう)から劉備らを迎えに来た船団が現れ、取り逃がしてしまう。

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第56話の展開とポイント

(01)陸路を急ぐ劉備

劉備らの前に一団の兵が姿を現したところで、趙雲(ちょううん)が諸葛亮(しょかつりょう)から渡されていた最後の錦の袋を開ける。その策は劉備に宛てて書かれたものだった。

このシーンでは趙雲が開けた錦の袋の色がわからなかった。中に諸葛亮の策が書かれた紙が入っていたのは、ここまでに開けたふたつの袋と同じ。錦の袋については、先の第52話(05)および前の第55話(01)を参照。

劉備らに追いついたのは徐盛(じょせい)と丁奉(ていほう)だったが、ふたりは孫小妹に叱られて引き下がる。こうして劉備らはこの場を通り抜けることができた。

(02)襄陽(じょうよう)

諸葛亮が馬謖(ばしょく)に兵符を預け、黄忠(こうちゅう)の部隊を動かすよう命ずる。その際、黄忠の出発は夜中にさせるように、とも付け加える。

(03)劉郎浦

周瑜が兵をひきいて劉備に追いつく。しかし、そこへ黄忠と魏延(ぎえん)も兵をひきいて現れる。

劉備らは用意されていた船に乗り込み、周瑜の追撃から逃れる。

周瑜は諸葛亮から別れの言葉を聞かされた後、血を吐いて気を失う。

(04)襄陽

関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)が諸葛亮に詰め寄り、呉(ご)の討伐命令を下すよう迫る。ふたりが諸葛亮を罵っているところへ馬謖が戻り、事情を説明する。

このとき馬謖が関羽と張飛に、「私の話を信じないとおっしゃるなら、外をご覧ください。公安(こうあん)の城内に荊州の兵はひとりもおりません」と言っていた。馬謖の発言は、襄陽と公安を同じ場所として扱っているようで解せない。

それでもなお関羽と張飛が、古参の兵1万をひきいて劉備を助けるため出陣しようとしたところへ、劉備が戻ったとの知らせが届く。だが、諸葛亮は印綬(いんじゅ)を梁(はり)に掛けて姿を消す。

劉備らは船着き場で諸葛亮を見つけ、関羽と張飛が諸葛亮に陳謝する。

ここで関羽と張飛が諸葛亮を担いで帰るという設定はおもしろかった。

(05)諸葛亮邸

諸葛亮が劉備に、関羽と張飛の改めるべき点について助言する。

(06)柴桑(さいそう)

呂蒙(りょもう)が周瑜に、巴陵(はりょう)の軍勢を動かして荊州に攻め入るよう勧める。しかし周瑜は、劉備が戻ったいま討とうとするのは愚の骨頂だと言って許さない。

ここでのやり取りの中で、周瑜が「呉下の阿蒙」に触れていた。

孫権(そんけん)が魯粛(ろしゅく)を伴い周瑜の見舞いにやってくる。孫権と周瑜の意見が一致したため、劉備を荊州牧(けいしゅうぼく)に任ずるよう許都(きょと)に上奏することになる。

ここで孫権が周瑜に、「劉備が妹を連れ公安に逃げた。偵察兵によれば、腹心の部下もみな公安に集い、兵士を調練していると……」と言っていた。劉備は襄陽まで戻ったのではないらしい。この第56話(04)が襄陽ではなく公安だと考えれば話が合ってくるのかも。

(07)襄陽

劉備のもとに許都から書状が届く。それには孫権が劉備を荊州牧に推薦する上奏を行い、これに曹操(そうそう)が同意したこと。そして曹操が別に上奏を行い、周瑜を南郡太守(なんぐんたいしゅ)に、程普(ていふ)を江夏太守(こうかたいしゅ)に、それぞれ推薦したことが書かれていた。

(08)柴桑 周瑜邸

魯粛が周瑜を訪ね、曹操が劉備の荊州牧を認めたうえ、周瑜を南郡太守、程普を江夏太守としたことを伝える。

また、周瑜から荊州の動きについて尋ねられた魯粛は、劉備が兵馬を調練しており、水軍も陸口(りくこう)に移したとも伝える。

周瑜は魯粛に、劉備に西蜀(せいしょく)を取るよう催促したうえ、「道を借りて虢(かく)を討つの計」を用い、劉備に代わって西蜀を取ると見せかけ、向きを変えて荊州に奇襲をかけるという策を明かす。

(09)襄陽

新兵の調練に張り切る張飛。

魯粛が劉備を訪ね、周瑜と程普が太守として赴任するため、南郡と江夏から立ち退くよう求める。

管理人「かぶらがわ」より

無事に荊州へ戻った劉備。ひどい暴言を浴びながらも、関羽や張飛と和解する諸葛亮。この第56話は今後の下準備という感じでした。

それにしても周瑜、血を吐きすぎなんじゃないの? と思っていたら――。

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