『三国志 Three Kingdoms』の考察 第55話「計りて虎穴を脱する(はかりてこけつをだっする)」

周瑜(しゅうゆ)らの計により呉(ご)の地で贅沢(ぜいたく)な日々を送るうち、劉備(りゅうび)は荊州(けいしゅう)へ帰る気持ちを失いつつあった。

それでも趙雲(ちょううん)から渡された諸葛亮(しょかつりょう)の書状を見て志を取り戻し、密かに南徐(なんじょ)を抜け出す手はずを整える。

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第55話の展開とポイント

(01)南徐 東府(とうふ)

孫乾(そんけん)が劉備に、孫権(そんけん)から今月の手当として銅銭6万(先月より2万の増額)が届いたことを伝える。

ところが劉備は「6万では到底足りぬ」と言いだし、孫乾に命じて、孫権の使いの者に銅銭2万の増額を要求させる。孫乾は反論しようとするが、思い直して退出した。

趙雲は孫乾が年の瀬だと言ったことで、諸葛亮から渡されていた錦の袋のことを思い出す。そこで趙雲はふたつ目の錦の袋(白色)を開けてみる。

ここは残念。先の第52話(05)で諸葛亮は、錦の袋を赤→黄→白の順に開けるよう伝えていた。それなのに、ここで白色を開けているのはどうしたことか(ふたつ目は黄色のはず)。もしかすると吹き替えのセリフのほうに誤りがあるのかも……。

ちなみに、錦の袋に入っていた諸葛亮の策は紙に書かれていたようだ。これは先の第52話(07)で趙雲が開けていたひとつ目の袋と同じ。

趙雲は、劉備の暮らしぶりをきつく諫めて怒りを買う。劉備は趙雲に、すぐに荊州へ帰るよう言い渡す。

(02)周瑜邸

呂蒙(りょもう)が周瑜に、劉備が使いの者を通じ、手当が足りないと言ってきたことを伝える。また、劉備が趙雲を荊州へ追い返したことも伝える。

周瑜は呂蒙から、孫権が対応を任せると言ったことを聞き、劉備が要求した銅銭2万を4万に増額し、合わせて月に銅銭10万を渡すよう命ずる。

ここで呂蒙が周瑜に、「このまま劉備への出費が続けば、財政は行き詰まるものと……」と言っていた。ドラマにおける銅銭10万の価値が見えてこない。彼らのような高位者にすれば、そこまでの大金とは思えないのだが……。

(03)襄陽(じょうよう)

諸葛亮が趙雲に、主君を見捨てて帰ってきたとし、棒叩き30回の罰を与える。

関羽(かんう)と張飛(ちょうひ)は趙雲から劉備の近況を聞き、呉に出兵して劉備を助けると言いだす。諸葛亮は許さなかったが、ふたりにはその真意がつかめず、無礼な言葉を吐く。

趙雲が再び呉へ戻っていく。

(04)周瑜邸

周瑜が呂蒙から荊州の様子を聞き、関羽と張飛が諸葛亮と不和になっていることを知る。そこで周瑜は荊州へ人を遣り、自分と諸葛亮が裏で手を組んでいるとのうわさを流すよう命ずる。

(05)南徐 東府

趙雲が劉備のもとに戻り、諸葛亮から預かった書状を手渡す。劉備は荊州の充実ぶりや関羽らの行いを知り、諸葛亮に苦労をかけていることを改めて自覚する。

劉備は趙雲に、陸路を使って呉から脱出する考えを伝える。

劉備が孫小妹(そんしょうめい)に、曹操(そうそう)の大軍の来襲を口実に荊州へ帰る決意を語る。孫小妹は曹操軍来襲の話が口実と見抜き、劉備から事実を聴いたうえで荊州へついていくと答える。

ここで劉備が孫小妹に、「私は30年代(?)、命がけで戦ってきたが、言わば根なし草であった……」と言っていた。「30年代」は「30年来」の誤りだろうか?

(06)南徐

孫小妹が呉国太(ごこくたい)に、翌日が劉備の父の命日であることを告げ、川岸から北の方角へ祈りを捧げたいと頼む。呉国太は娘との別れを悟りながらも、城外へ出ることを許す。

ここで孫小妹が髪を切り、呉国太に残すシーンがあった。いいシーンながら、現代でも使えそうなデザインのはさみが登場したのは気になる。

そのあと呉国太は周泰(しゅうたい)を呼び、頼みごとをする。

ここでは頼みごとの内容を明らかにしていなかった。

(07)襄陽

酔った張飛が再び諸葛亮に暴言を浴びせる。張飛が去った後、諸葛亮は思わず声を荒らげ、馬謖(ばしょく)に無念の思いを話す。

ここで諸葛亮が馬謖に、「かつて晴耕雨読の生活を南陽(なんよう)で送っていたころの私は高潔な人間であったはずだ……」と言っていた。「南陽で」は『三国志演義』の踏襲だと思うが史実と異なる。

諸葛亮が晴耕雨読の生活を送っていたのは南陽ではなく、襄陽郊外の隆中(りゅうちゅう)。ただし、諸葛亮が隠棲(いんせい)していた場所に関する議論は現在も続いており、いまだ結論は出ていない。

(08)南徐

呉国太が孫権らを集めて酒宴を催す。

(09)南徐 東府

劉備らが城外へ出る。

このとき先に出ていった一団は囮(おとり)らしい。

(10)南徐

酒宴に出席していた呂蒙のもとに、劉備の馬車が館を出て長江(ちょうこう)へ祈とうに向かったとの知らせが届く。呂蒙は賈華(かか)に500の兵をひきいて追いかけさせる。

酒宴で酔いつぶれた孫権が目を覚ました後、張昭(ちょうしょう)が、劉備と孫小妹が城外へ出たことを伝える。

そこへ賈華が戻り、周瑜が兵を遣って劉備の船を止めたものの、その船に劉備が乗っていなかったと報告する。

孫権は激怒し、周泰と蔣欽(しょうきん)に500の兵をひきいて追跡するよう命ずる。

ここで賈華が周瑜の見立てとして話していた、「キンセンダッコクの計」というのがわからなかった。

このドラマと直接の関係はないが、BSフジで2014/7/7に放送された『項羽と劉邦 King’s War』(第25話)「偽りの敗戦」の中で「金蝉脱殻(きんせんだっかく)の計」が出てきて、「密かに抜け出して相手をあざむく計略」との字幕説明があった。

(11)陸路を急ぐ劉備

劉備らの前に一団の兵が姿を現す。

管理人「かぶらがわ」より

贅沢漬けから己を取り戻す劉備。張飛に罵られる諸葛亮。呉国太と孫小妹のせつない別れなどなど……。劉備の脱出劇が描かれた第55話でした。

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