『三国志 Three Kingdoms』の考察 第54話「甘露寺に婿を招く(かんろじにむこをまねく)」

劉備(りゅうび)は甘露寺(かんろじ)で呉国太(ごこくたい)と対面し、大いに気に入られる。

そして孫小妹(そんしょうめい)も劉備を夫として認めたため、ふたりは晴れて夫婦となった。

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第54話の展開とポイント

(01)南徐(なんじょ)

呉国太が孫小妹に、甘露寺で劉備を見て気に入ったら吹くようにと言い、孫堅(そんけん)の形見の笛を手渡す。

(02)南徐 劉備の宿

甘露寺への出発直前、劉備の前に烏(カラス)の糞(ふん)が落ちてくる。孫乾(そんけん)は吉兆ではないと言い、甘露寺へ行くのをやめるよう勧める。

だが劉備は孫乾の心配を一笑し、趙雲(ちょううん)に身辺の衛兵だけを連れていくよう伝え、甘露寺へ向かう。

(03)甘露寺

劉備が孫権(そんけん)の出迎えを受けたあと呉国太と対面。その様子を孫小妹が帳(とばり)の陰からうかがう。

この席で趙雲が孫権に、伏兵がいる理由を尋ねる。

ここで趙雲が剣を抜き、ひと暴れしていた。会見の性質を考えるとまずい気がする。

孫権が賈華(かか)に事情を聴いたところ、呂蒙(りょもう)が名乗り出て自分の指示だと答える。孫権は呂蒙の処刑を命ずるが、劉備になだめられる。

その後、劉備は呉国太らに漢(かん)の中興にかける思いを語り、もしも自分の言葉を疑っておられるなら斬ってほしいと言い、呂蒙に剣を預ける。

呂蒙が劉備に斬りかかろうとしたところ、孫小妹の笛が聞こえてくる。それでも呂蒙は構わずに剣を振り下ろしたが、これを趙雲が防ぎ止めた。

呉国太との対面を終えた劉備。甘露寺にあった石を見ると、自らの思いを込めて斬りつける。石はふたつに割れた。

このとき劉備は「もし私が無事に荊州(けいしゅう)へ戻り、覇業を成し遂げられるなら、ひと太刀で石よ真っぷたつとなれ……」と念じていた。劉備は覇業を嫌っていたはずだが……。

続いて孫権も自らの思いを込め、同じ石に斬りつける。すると石は、さらにふたつに割れた。

このとき孫権は「荊州を取ることがかない、帝業を成せるなら、石は真っぷたつに斬れよう」と念じていた。

(04)南徐

呉国太が劉備を招き、盛大な祝宴を催す。

夜も更け、劉備は新婦の部屋へと案内される。ところが、部屋の前まで来たところで孫小妹が一騎討ちを挑んでくる。劉備は何とか彼女がかぶっていた布を取ることができ、ほどなく夫として認められた。

ここで劉備が孫小妹に、「この劉備は取り柄のない男だが、剣術だけは誰にも負けぬ。私を本気にさせないでくれ」と言っていた。くさいセリフには目をつぶるとしても、劉備が剣術に優れていたというのは持ち上げすぎでは? これまでにもこの設定をうかがわせるシーンはあったが……。

周瑜が呉国太に、しばらく劉備を南徐に引き止めておくよう進言し承諾を得る。

劉備が趙雲に南徐に留まることを伝える。趙雲は反対するも、劉備から、諸葛亮(しょかつりょう)が荊州をまとめる時間を増やすためだと言われて納得する。

(05)周瑜邸

周瑜が呂蒙に、劉備を呉(ご)に留めて豪邸に住まわせ、その大志を失わせるよう命ずる。

(06)南徐 東府(とうふ)

孫乾が劉備に、孫権から今月の手当てとして銅銭4万が届いたことを伝える。

このとき趙雲が劉備に「銅銭4万? 大金です」と言っていた。どうもつかみきれないが、ドラマで設定されている貨幣価値を量る目安になりそう。ただ劉備や孫権にとって、銅銭4万がそれほどの大金とは思えないのだが――。

管理人「かぶらがわ」より

周瑜の贅沢(ぜいたく)漬け作戦の前に、早くも弓の訓練をさぼってしまう劉備。何せここまで苦労続きの人生でしたので……。

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