黄奎(こうけい)が馬騰(ばとう)らとともに、許都(きょと)で反乱を企てていたことが露見。
黄奎は拷問にかけられ、計画に加担した者のひとりとして曹丕(そうひ)の名を挙げたため、曹操(そうそう)は曹丕を呼び、真偽を確かめようとする。
第61話の展開とポイント
(01)許都 黄奎邸
黄奎が苗沢(びょうたく)に、今夜の三更(午前0時前後)に城外の3本のたいまつを合図として南門を開けるよう命ずる。
苗沢は黄奎から、馬騰の軍勢を引き入れて曹操を滅ぼす、と聞かされ動揺。それでも、事が成就した暁には天子(てんし。献帝〈けんてい〉)から将軍に任ぜられ、侯にも封ぜられると言われ、城門を開く決意を固める。
★前の第60話(13)では苗沢の字幕紹介がなかったが、ここではあった。
(02)丞相府(じょうしょうふ)
その夜、荀彧(じゅんいく)が寝ていた曹操を起こし、苗沢が密告した黄奎と馬騰の計画について報告する。
曹彰(そうしょう)が丞相府の周囲に500の兵を配置する一方、曹操の命を受けた許褚(きょちょ)と徐晃(じょこう)は5千の兵馬をひきいて南門の内側に潜み、馬騰の突入を待ち受ける。
曹操は荀彧に黄奎を捕らえるよう命じ、一味の者を根絶やしにするよう言い渡す。
(03)許都 南門
馬騰らが、手はず通りに開かれた南門から城内へ突入する。
★前の第60話(04)では馬鉄(ばてつ)の姓名がセリフに含まれていただけだったが、ここでは字幕による紹介があった。
(04)丞相府
曹操のもとに、馬騰が包囲を突破して丞相府へ向かっているとの知らせが届く。また、馬騰が連れてきた5千の軍勢は残兵などではなく、西涼(せいりょう)の精鋭と判明する。
そこへ曹彰が馬鉄の首を手に、生け捕りにした馬騰も連れて戻る。
曹操は馬騰の処刑を命じたうえ改めて曹彰に命じ、徐晃と曹洪(そうこう)とともに3万の軍勢をひきいさせ、渭水(いすい)へ遣わし馬超(ばちょう)の襲撃を防がせる。
さらに曹操は荀彧にも命じ、馬騰と韓遂(かんすい)の謀反に対し自ら詔(みことのり)を奉じて軍勢をひきい、西涼へ討伐に向かうための準備を整えさせる。
(05)丞相府 牢獄
捕らえられた黄奎は厳しい拷問を受けた末、今回の計画に加担した者の名を書き出す。その途中、黄奎は近くに置いてあった剣に飛びかかり自殺する。
★このシーンでは、黄奎が計画に加担した全員の姓名を書き終えたのかまではよくわからなかった。
荀彧が曹操に、黄奎が書き出した人物の姓名を報告。終わりに曹丕の名があることも伝える。
曹操は名前の挙がった者をみな捕らえるよう命ずるが、すでに荀彧が兵を送り込んでいた。続いて曹操は許褚に命じ、すぐに曹丕を連れてこさせる。
★ここで荀彧が曹操に、「黄奎は書き終えた後、隙を見て剣に飛び込み死にました」と言っていた。前のシーンでははっきりしなかったが、黄奎は全員の姓名を書き終えた後で自殺したという設定だ。
荀彧が挙げた「侍郎(じろう)の呉中(ごちゅう)」 「給事(きゅうじ)のリュウエキケイ(?)」 「主簿(しゅぼ)のソウシン(?)」 「ナンコウシテン(?)のバントウ(番頭?)のチンギョクユウ(?)」はよくわからず。
(06)司馬懿邸(しばいてい)
曹丕が司馬懿を訪ね、馬騰が夜襲に失敗し処刑されたことを伝える。
続いて曹丕は、親しくしていた黄奎が捕らえられ、拷問にかけられていることを話す。そのうえで、黄奎が自分の名前を出した場合の対策を乞う。
★ここで曹丕が司馬懿に、かつて黄奎が曹植(そうしょく)の食客だったことを話し、曹丕も黄奎とは親交があり、当初は黄奎を手先として利用し、曹植に探りを入れようとしたことを明かしていた。
そこへ曹操の使いとして許褚が着き、曹丕を迎えに来たことを伝える。司馬懿は曹丕に、「絶対に関与を認めないこと」と「曹植に罪をかぶせること」を助言する。
★ここで司馬懿が曹丕に、端午の節句に黄奎が自邸で宴を催し、曹植に女を世話して機嫌を取ったことを告げ、平素から黄奎は曹植と詩文を交わしており、それらが証拠だと曹操に指摘するよう勧めてもいた。
(07)丞相府
曹操が曹丕に黄奎が書き残した書簡を見せ、その真偽を問いただす。
曹丕は黄奎との付き合いはないと言い張るが、曹操は隣室で黄奎の拷問が続いているように装い、曹丕を揺さぶる。
曹丕は曹操に、「もし父上がどうしてもとおっしゃるなら、私は真実しか申せません」と言ったうえ、「黄奎の黒幕は曹植です。2年前、奴は曹植の食客で親しくしていました」と述べ、「黄奎は曹植を宴に招き、女を侍らせ歓待しました」とも述べる。
これを聞いた曹操は剣を振るい、曹丕の髪を斬り落とす。
曹操は荀彧に、曹丕の言っていることが真実か、黄奎に聞いてくるよう命ずる。荀彧が部屋から出ていった後、曹操は曹丕を碁盤の前に座らせ、荀彧と打っていた碁を代わりに続けさせる。
(08)黄奎邸
苗沢が李春香(りしゅんこう)と密会していたところ、兵士たちがやってくる。
(09)丞相府
曹操の負けで碁は終局。曹操は「天意に委ねる」として、自分が握った碁石の数が奇数か偶数かで、曹丕の言い分の真偽を判断すると告げる。奇数なら正直に話している、偶数ならふた心ありと見なし、この場で斬ると。これに曹丕も同意。
曹操が握った碁石は6個で、偶数だった。
しかし、曹操は曹丕が最後まで言い分を変えない様子を見て、曹丕が目を閉じている間に盤上の碁石をひとつ取り、奇数だと伝える。
ここで戻ってきた荀彧が曹操に、黄奎が白状したと報告。黄奎の愛妾(あいしょう)の枕の下から出てきたという曹植の詩文を見せる。
曹操は曹丕にひと言だけ詫びた後、部屋から出ていく。
(10)司馬懿邸
曹丕が司馬懿を訪ね、曹操からの誕生日祝いとして500キン(金?)を贈る。
(11)丞相府
曹操が苗沢を呼び出す。苗沢は黄奎の愛妾だった李春香を賜りたいと願い出るが、曹操は苗沢の処刑を命ずる。
★ここで曹操が苗沢に、「わしは正妻ひとり、側室ふたり、愛妾9人を抱える……」と言っていた。また「安心するがよいぞ。馬騰との戦いで名誉の戦死を遂げたことにして、手厚く葬ってやる」とも言っていた。
★結局、李春香は最後まで字幕による紹介がないままだった。
曹操のもとに、馬超と韓遂の20万の大軍が長安(ちょうあん)を陥し、許都へ向かっているとの知らせが届く。
(12)渭水の近郊?
曹操が軍勢をひきいて到着。10日間は守るよう命じていた潼関(どうかん)を9日目に失った曹洪の責任を問い、処刑するよう命ずる。
しかし曹仁(そうじん)らが皆で助命を乞うたため、曹操は曹洪を伍長(ごちょう)に降格することで決着させる。
(13)西暦211年 渭水の戦い
曹操と馬超や韓遂が、それぞれ軍勢をひきいて対峙(たいじ)する。
★両軍が対峙したシーンで第61話は終了。
管理人「かぶらがわ」より
秘策を読まれて馬騰・馬鉄・黄奎が散る。ついでに苗沢も散る――。
黄奎と付き合いがあったことを最後まで吐かなかった曹丕。曹操との息詰まるやり取りは見ごたえがありました。
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