『三国志 Three Kingdoms』の考察 第04話「関羽、華雄を斬る(かんう、かゆうをきる)」

190年、董卓(とうたく)配下の華雄(かゆう)らが守る汜水関(しすいかん)に攻め寄せた反董卓連合軍だったが、華雄の武勇の前に次々と味方の部将が倒されていく。

そのような苦しい状況の中、諸侯の間では無名の劉備(りゅうび)の配下にすぎない関羽(かんう)が、見事に華雄を討ち取る。

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第04話の展開とポイント

(01)西暦190年 汜水関の戦い

前の第3話のラストで、董卓配下の華雄が袁術(えんじゅつ)配下の兪渉(ゆしょう)を討ち取ったシーンからスタート。

ここで「汜水関の戦い」という字幕が出たが、どういうことなのかわからない。十八鎮諸侯は陳留城(ちんりゅうじょう)に集まっていたはず。城外に攻め寄せた華雄との戦いが、なぜ「汜水関の戦い」になるのだろうか?

兪渉に続き、韓馥(かんふく)配下の潘鳳(はんほう)が華雄に挑むが、またも討ち取られる。さらに続いて関羽が挑み、見事に討ち取る。

ここで曹操が、関羽が一騎討ちに向かう前に注がせた酒について。関羽が諸侯の前に華雄の首を転がした後、曹操は酒がまだ温かいこと(関羽がごく短時間で華雄を討ち取ったという意味)を手の芝居で表現していた。

袁紹(えんしょう)が第19鎮を増設し、劉備を将軍に任ずる。その後、劉備配下の兵士が袁紹が約束した兵糧を受け取りに行くと、袁術に拒否されたうえ殴られて戻る。

(02)相国府(しょうこくふ)

董卓のもとに華雄が討ち取られたとの報告が届く。

ここで李儒(りじゅ)が董卓に、「(敵の)先鋒の孫堅(そんけん)がハクバ(白馬?)の要塞を攻め落とした」と言っていたが、地理的な関係がわからなかった。「ハクガ」と言ったようにも聞こえる。こういうところでは地名の字幕がほしい。

董卓は李儒の進言を容れ、郭汜(かくし)に命じて太傅(たいふ)の袁隗(えんかい。袁紹の叔父)を捕らえさせる。

(03)袁隗邸

郭汜が兵をひきいて乱入し、手当たり次第に家人を殺す。

(04)洛陽(らくよう) 長楽宮(ちょうらくきゅう)

董卓自ら軍勢をひきいて出陣。出発前に袁隗と一族を処刑する。

(05)劉備の軍営

曹操が兵糧などの手土産を携え、劉備を訪ねて語り合う。

(06)孫堅の軍営

孫堅が、孫策(そんさく)からハクバ(ハクガ?)の要塞を攻め落としたとの報告を受ける。一方で袁紹が約束した兵糧や援軍は届いておらず、苦境に立たされていた。

先の(02)にも出てきたが、ここでも聞き取りにくかった。字幕で説明してくれないとわからない。孫策が孫堅に「このまま虎牢関(ころうかん)を攻略し、洛陽に入られてはいかがかと」と言っていたので、その近辺の要塞らしいが……。

李儒が孫堅を訪ね、孫権(そんけん)と董卓の娘との縁組みを持ちかける。孫堅はこの申し入れを一蹴し、李儒を追い返す。

ここで孫堅が、孫権は9歳だと言っていた。董卓と連合軍との戦いに孫権も従軍しているのは無理がある。孫策と孫権の兄弟を並べて登場させたかったのだろうか?

(07)連合軍の本営

黄蓋(こうがい)が本営に乗り込み、袁紹が孫堅に約束した兵糧や武器を渡すよう迫る。袁紹も日没までには用意すると応ずる。

管理人「かぶらがわ」より

前半に関羽の見せ場がありました。有言実行な感じでかっこいい。ただ、関羽が華雄を討ち取ったというのは『三国志演義』の創作なので、ちょっと引っかかるところも……。

正史『三国志』では、孫堅が陽人(ようじん)で董卓軍を大破したとき、董卓配下の都尉(とい)だった華雄らの首を斬ったとあります。

兪渉や潘鳳は名前が字幕で紹介されていませんでしたが、これでわかりますかね?

それにしても、袁紹と袁術は対応がずるすぎました。

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監督:ガオ・シーシー 脚本:チュウ・スージン 国内販売元:エスピーオー
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記事作成にあたり参考にさせていただいた各種文献の詳細は三国志の世界を理解するために役立った本(参考文献リスト)をご覧ください。

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