ドラマ『三国志 Three Kingdoms』の考察 第30話 「曹操、河北を平らぐ(そうそう、かほくをたいらぐ)」

206年、曹操は袁紹(えんしょう)の残兵を蹴散らし続け、冀州(きしゅう)・青州(せいしゅう)・幷州(へいしゅう)・幽州(ゆうしゅう)の4州の攻略を果たす。

袁紹は激しい憤りの中で血を吐いて急死し、ついに曹操が漢(かん)における最大勢力をひきいる軍閥の長となった。

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第30話の展開とポイント

(01)荊州(けいしゅう) 襄陽(じょうよう)

蔡瑁(さいぼう)が部将たちに、劉備(りゅうび)を受け入れて新野(しんや)に駐屯させるという劉表(りゅうひょう)の決定を伝える。蔡瑁は劉備への警戒を怠らないよう伝え、提供する兵糧や武器は2千人分に限るよう命ずる。

(02)新野へ向かう劉備

劉備は同行した劉琦(りゅうき)にこれまでの礼を述べる。このとき劉琦は劉備に、劉表の後妻である蔡氏ら蔡一族に命を狙われていることを打ち明ける。

劉琦は劉備に、劉表の前で自分を引き立ててほしいと頼む。劉備は、劉表から意見を求められた際には(長男の劉琦を廃して次男の劉琮〈りゅうそう〉を立てないよう)諫言することを約束。

(03)襄陽

蔡瑁が蔡氏に、劉表が劉備を受け入れて新野に駐屯させたことを報告する。蔡氏は蔡瑁に、劉備を政(まつりごと)にかかわらせないことや劉琦と結託させないよう命ずる。

蔡氏は劉表の後妻で劉琮の母。そして蔡瑁の姉という設定。

ここで蔡氏が蔡瑁に「夫はもう64。健康も優れない……」と言っていた。

(04)西暦206年 曹操(そうそう) 冀州(きしゅう)に入城

曹操は再び袁紹(えんしょう)の残兵を討ち破り、冀州・青州(せいしゅう)・幷州(へいしゅう)・幽州(ゆうしゅう)を攻略。

袁紹は憤りのなか吐血して急死。曹操は袁紹に代わり漢(かん)で最も勢力のある軍閥となった。

このあたり、袁紹の死も含めてナレーションでまとめてあった。バッサリ切りすぎな感じもするが、全体の話数などに制約もあるだろうから納得するしかない。

許褚(きょちょ)が街中で暴言を吐いていた許攸(きょゆう)を殺す。

曹操が陳琳(ちんりん)を召し出し、その文才を高く評価したうえ配下に加える。

陳琳が討賊(曹操討伐)の檄文を書いたことについては先の第21話(06)を参照。曹操がこの檄文を高く評価したことについては同じく第21話(07)を参照。

しかし曹操は曹丕(そうひ)に命じ、これらの書簡をセイヨウ門(?)の外に持っていき、みなの面前で焼き払うよう命じたのだった。

許褚が曹操に、許攸を斬ったことを報告して処罰を乞う。曹操は許褚の首を刎(は)ねるよう命ずるが、みなが助命を乞うたため死罪は免ずる。

曹操は荀彧の進言を容れ、許攸を手厚く葬ったうえ、上奏してトウヨウ侯(?)に封ずることにする。そして許褚は厳罰に処し、許攸の墓の前で謝罪させることにする。

結局、許褚は歩兵に降格のうえ馬の世話係とされ、三月(みつき)の間、酒を絶つよう命ぜられる。さらに許攸の墓に行ってぬかずき、許しを乞うよう言いつけられた。

退出後、許褚は荀彧に、禁酒だけは何とかしてほしいと頼むが一喝される。荀彧は、曹操が許褚にかけている期待について話す。これを聴いた許褚は奮起し、荀彧を三拝して去る。

こういった余談的なものを、もっとドラマで使ったほうがよかったかもしれない。

みなが退出したあと曹丕が床に地図を広げ、曹操に現在の状況を説明する。

ここで曹丕が曹操に、「ご覧ください。天下の大半が父上の手の中です。劉表、劉璋(りゅうしょう)、孫権(そんけん)らを残すのみ」と言っていた。史実の時代には合っているのだが、ドラマはこの時点で孫策(そんさく)の死については触れておらず、いきなりの孫権への代替わりにはわかりにくさがあった。

また、曹操から劉備の所在を尋ねられた曹丕が、地図上の新野を指差したシーンに注目。新野を中心に北に南陽(なんよう)、西に樊城(はんじょう)があり、いくらか東(東北東)に(汝南〈じょなん〉の)古城(こじょう)があることになっていた。

ここで登場した地図は位置的に正しいと思われ、逆にこれまで汝南郡としていた位置と食い違いが出てくることになる。制作側がどう解釈しているのか見えてこない。

さらに曹丕が曹操に、「父上。袁紹の死後、われわれの軍勢は拡大し、今や歩兵30万、騎馬兵15万、水兵20万、合わせて65万です。諸侯たちが一丸となったとしても、わが軍の半分にもなりません」とも言っていた。

曹操は曹丕に「全軍を1年休ませ、戦(いくさ)の準備をする」と告げる。「兵糧や武器を貯え、しかるのち一気に天下を統一しようぞ」とも語った。

(05)新野

簡雍(かんよう)が劉備に、袁紹の憤死やその後の袁氏の動向について報告する。

曹操が漳河(しょうが)の水を引き再び袁軍を破ったこと(たぶん冀州の本城攻めの話)。袁紹がすでに憤死したこと。

袁譚(えんたん)や袁尚(えんしょう)らは家督争いを続け、機に乗じた曹操の猛攻撃に遭い、数十万の袁軍の残兵が皆殺しになったこと。

袁氏の息子ふたりは遼東(りょうとう)に逃れたものの、遼東の刺史(しし)公孫康(こうそんこう)に斬り殺され、その首は許都(きょと)へ送られたこと。

こうして曹操が続けざまに冀州・青州・幷州・幽州を手に入れたこと。これらのことを簡雍が劉備に伝えていた。

ここで出てきた遼東刺史というのはおかしい。遼東は郡なので刺史ではなく遼東太守(りょうとうのたいしゅ)とすべき。この簡雍の長いセリフで、袁紹の死から袁氏滅亡までの話をサラっと済ませていた。このへんも前の(04)と同じような事情があるのだろう。

劉備が劉表から端午の節句の祝いに招かれる。

(06)襄陽

劉表が劉備と酒を酌み交わす。

ここで劉備が劉表に、「私はもう齢50になりますが、何の功も挙げておらず、領地もございません。ただ虚しく脾肉(ひにく)が付いてゆくばかり……」と言っていた。ドラマ版「脾肉の嘆」。

この席で劉表は劉備に跡継ぎについての意見を求める。その際、部屋の外にいた蔡氏がふたりの話を盗み聞きする。

劉備は袁紹の話を持ち出し、長男の劉琦を立てるよう勧める。しかし部屋の外に人の気配を感じたため、この話を一方的に打ち切る。

宴が果てたあと蔡氏は劉表に、劉備は劉琦と通じており荊州を奪うつもりだと訴える。だが劉表は相手にしなかった。

そこで蔡氏は蔡瑁を呼び、客殿に泊まっている劉備を殺すよう命ずる。

管理人「かぶらがわ」より

ナレーションと簡雍の長いセリフもあり、内容盛りだくさんだった第30話。消化すべき項目が多く、見ているこちらも大変でした。

せっかく大功を立てたのに思い上がって殺されてしまった許攸。ここまでの行動は深かったのに、その最期は浅かったですね。
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