董卓(とうたく)が洛陽(らくよう)に火を放って引き揚げた後、反董卓連合軍の諸侯は続々と洛陽入りを果たす。
孫堅(そんけん)も皆に先んじて洛陽に到着したが、ここで偶然、皇帝の象徴である伝国璽(でんこくじ)を手に入れる。
第06話の展開とポイント
(01)西暦190年 滎陽(けいよう)の戦い
曹操(そうそう)が董卓を追撃する。
★曹操と曹仁(そうじん)の会話の中に、「おそらく朝廷は私を西涼刺史(せいりょうしし)か冀州太守(きしゅうたいしゅ)に封じるだろう」というセリフが出てきた。西涼は地域の通称なので西涼刺史はいない。涼州刺史(りょうしゅうしし)ならわかるが……。また、冀州は州名なので太守はいない。ここは冀州刺史とすべき。
長安(ちょうあん)へ向かう馬車の中で、董卓が献帝(けんてい)に語りかける。
★ここでは天子(てんし。献帝)の冠に玉飾りが9旒(りゅう)しかなかったが、天子は12旒。こういうところにもこだわってほしかったので、ちょっと残念。
曹操が董卓に追いついて戦ったものの、大敗を喫する。このとき呂布(りょふ)が貂蝉(ちょうせん)の危機を救った。
★曹操の大敗をこのシーンだけから読み取るのは難しかったと思う。
(02)洛陽 長楽宮(ちょうらくきゅう)
孫堅らが焼けてしまった洛陽へ入り、ここで程普(ていふ)が伝国璽を見つける。
★伝国璽は両手でしっかりと持てるサイズだった。印面は縦が15センチくらいありそう。また、程普が伝国璽について語るのはいいとしても、孫権(そんけん)まで語るのは持ち上げすぎだろう。
孫堅が江東(こうとう)への帰還命令を下す。
★このとき孫堅は長沙太守(ちょうさたいしゅ)だったはず。長沙へ戻るのなら「江東」という言い回しは引っかかる。
その後、袁紹(えんしょう)らも大軍をひきいて到着する。
(03)洛陽 宗廟(そうびょう)
劉備(りゅうび)が先祖に詫び、討賊を誓う。そこへ董卓の追撃から戻った曹操がやってくる。
(04)洛陽
袁紹と袁術(えんじゅつ)が孫堅を招いて飲んでいたところへ、曹操が劉備とともに現れる。曹操はこれまで好機を見逃し続けた袁紹をなじり、連合から去ると告げる。劉備も改めて去ることを告げた。
続いて孫堅も、自身のけがを理由に連合から去ることを告げる。袁術は伝国璽について追及し、袁紹も差し出すよう求めるが、孫堅は剣を抜いてその場を収める。
(05)洛陽の郊外
曹操・劉備・孫堅が別れの挨拶を交わす。曹操は揚州(ようしゅう)へ行き、劉備は公孫瓚(こうそんさん)の招きに応じて平原県(へいげんけん)へ行き、孫堅は江東でけがの養生をするという。
(06)荊州(けいしゅう) 襄陽(じょうよう)
劉表(りゅうひょう)のもとに袁紹から密書が届く。孫堅を三津(さんしん)の渡しで討ち、伝国璽を奪えというもの。この際、袁紹は成功報酬として冀州の3つの城地と金5千両、軍馬3千頭を提示する。
(07)襄陽の郊外?
行軍中の孫堅のもとに、袁術の軍師の范進(はんしん)がやってくる。
范進は孫堅に袁術の書簡を手渡すが、そこには袁紹が劉表を動かし、三津の渡しで待ち受けていると書かれていた。
孫堅と劉表が陣頭で顔を合わせる。劉表は孫堅に袁紹から届いた密書を見せたうえ、軍勢を動かしたのは袁紹の顔を立てるためで、孫堅を阻む気はないと伝える。
★劉表が取り出した袁紹の密書は明らかに紙だった。竹簡や木簡、帛(はく。絹)、紙の使われ方については今後も注目したい。
管理人「かぶらがわ」より
連合軍崩壊の第6話。伝国璽は秦(しん)の始皇帝(しこうてい)の時代から伝わる皇帝の象徴ですが、思ったより大きいという印象を受けました。あまり小さいと映像的にインパクトがないから、テキトーに大きくしただけかも……。
漢(かん)の皇帝は伝国璽のほかに、用途に応じて使う6種の璽印(皇帝行璽・皇帝之璽・皇帝信璽・天子行璽・天子之璽・天子信璽)を持っていたそうです。なので今後、伝国璽を使って押印するようなシーンが出てくるとまずいですね。
あと、袁術の軍師の范進って誰?
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