『三国志 Three Kingdoms』の考察 第07話「孫堅の死(そんけんのし)」

192年、孫堅(そんけん)は洛陽(らくよう)で見つけた伝国璽(でんこくじ)を懐に、国元への帰還を急いでいた。

ところが、それを阻もうとする劉表(りゅうひょう)の奇襲に遭い、重傷を負った末に船中で無念の死を遂げる。

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第07話の展開とポイント

(01)西暦192年 峴山(けんざん)の戦い

孫堅が劉表の奇襲を受ける。孫堅は重傷を負ったため上陸を諦め、ほどなく船中で亡くなる。

峴山の戦いの扱いや、孫堅が船中で亡くなるという設定は新味だった。

上陸してからの戦いで、孫策(そんさく)が劉表配下の黄祖(こうそ)を捕らえる。

孫策は黄蓋(こうがい)の進言を容れ、劉表に対し、孫堅の亡骸(なきがら)と捕虜にした黄祖との交換を申し入れる。その使者には孫権(そんけん)が選ばれる。

(02)荊州(けいしゅう) 襄陽(じょうよう) 劉表の軍営

劉表のもとに孫策の使者として孫権がやってくる。孫権は劉表を説得して孫堅の亡骸を引き取り、和睦の話をまとめる。

ここでは孫権が9歳ということになっていた。しかし(2年前の)190年の設定だった先の第4話(06)でも、同じく9歳ということになっていた。まだ幼い孫権を切れ者に描きたいのはわかるが、この手の矛盾を見せられるとテンションが下がる。

(03)長安(ちょうあん)

董卓(とうたく)のもとに、孫堅が劉表の伏兵によって殺されたとの知らせが届く。

李儒(りじゅ)が董卓に帝位に即くよう勧める。そこで董卓は即位の前段階として「相父(しょうほ)」を称し、朝廷の百官や諸侯の反応を見ることにする。

董卓は翌日に朝廷の百官を招いて宴を催し、皆の官位を引き上げると言い、李儒を司空(しくう)に任ずる。

(04)長安 郿塢(びう)

董卓の私邸に朝廷の百官が集まる。

ここで張温(ちょうおん)が登場し、字(あざな)が恵恕(けいじょ)と字幕が出た。これは同姓同名の人物を取り違えている。

『三国志』には張温がふたり登場し、恵恕のほうは呉(ご)の孫権に仕えた。蜀(しょく)への答礼使を務めたりもしており、活躍した時代が違う。ここで出てきた張温は、後漢末(ごかんまつ)に三公を歴任した人物のほうである。

張温が董卓に帝位に即くよう勧める。そこへ入ってきた呂布(りょふ)が董卓に耳打ちし、張温は袁(えん)兄弟と通じていたとして処刑される。

さらに董卓は、張温の血が入った酒を皆に飲むよう強要する。

(05)王允邸(おういんてい)

呂布が貂蝉(ちょうせん)への贈り物を持って訪ねてくる。

呂布が王允邸を訪ねた名目が、貂蝉の誕生日ということになっていた。誕生日まで設定するとは仕事が細かい。深い意味はないのかもしれないが……。

王允が呂布の意図に気づき、一計を案ずる。王允は呂布が帰った後で貂蝉を呼び、呂布を好きになってほしいと頼む。

管理人「かぶらがわ」より

孫堅の死。いよいよ帝位に色気を見せる董卓。血入りの酒まで登場した第7話。

王允も動きましたが、貂蝉(このドラマでは王允の義理の娘という設定)を犠牲にする計略なんて、とても司徒(しと)のやることとは思えませんでした。

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記事作成にあたり参考にさせていただいた各種文献の詳細は三国志の世界を理解するために役立った本(参考文献リスト)をご覧ください。

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