『三国志 Three Kingdoms』の考察 第63話「張松、辱めを受ける(ちょうしょう、はずかしめをうける)」

益州(えきしゅう)の劉璋(りゅうしょう)は、曹操(そうそう)が渭水(いすい)で馬超(ばちょう)の大軍を撃破したと聞くと張松(ちょうしょう)の進言に従い、許都(きょと)へ貢ぎ物を献ずる。

その使者を張松が務めたものの、曹操は意図的に礼を欠く応対に終始。張松は怒りを含んで許都から去った。

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第63話の展開とポイント

(01)曹操の軍営(氷の城)前

曹操が韓遂(かんすい)の助太刀と称し、馬超に向けて矢を放たせる。落馬した馬超は助け起こそうとした韓遂の左腕を斬り落とした後、別の馬に乗って逃走する。

(02)益州(西蜀〈せいしょく〉) 蜀郡 成都県(せいとけん)

法正(ほうせい)が劉璋に、曹操が渭水のほとりで馬超の20万の大軍を破り、西涼(せいりょう)を手に入れたことを報告する。

また、馬超は逃げ場を失い、5万の兵とともに漢寧太守(かんねいたいしゅ)の張魯(ちょうろ)のもとに身を寄せたとも伝える。

張松が劉璋に、許都へ貢ぎ物を献じたうえ、曹操に連盟を申し入れて漢中(かんちゅう)の張魯を攻めさせるよう勧め、許しを得る。

張松は劉璋から許都への使者を命ぜられる。その後、法正が張松に、劉璋に代わる主君を益州へ迎えたいとの考えを打ち明ける。

張松も法正に同意し、3年がかりで書き上げたという蜀12郡の詳細な地図を見せ、この地図を許都の曹操に献上するつもりだと話す。

法正は、地図を荊州(けいしゅう)の劉備(りゅうび)に献上するよう勧めるが、張松は劉備が長く持たないとみて応じなかった。

(03)許都

程昱(ていいく)が曹操に、先の西方遠征における兵糧の消費や兵馬の損失について報告する。

曹操は西涼で兵糧を集めないよう命じ、長安(ちょうあん)の穀物庫の兵糧を分け与えて民を救済させたうえ、今後2年間は西涼8郡の民の税を免除する。

また、于禁(うきん)を西涼へ差し向け、老兵や非力な兵をひきいて開墾にあたらせ、希望者には金銭や牛馬、穀物を与える。

そして最初の3年間は収穫した穀物を自分の物にしてよいとし、以降は収穫の7割を兵糧として供出させることとする。さらに、この先の数年は休戦するとの考えを述べる。

ここで西涼が頻出していたが、これは地域の通称なので涼州(りょうしゅう)としたほうが適切だと思う。

曹操のもとに、益州の劉璋の使者として別駕(べつが)の張松が朝貢に来たとの知らせが届く。曹操はわざと張松を待たせることにし、数日は宿に泊めておくよう命ずる。

(04)張松の宿

張松が曹操の使いの者から、一番下の子どもが満1歳を迎えたため、今日も時間がなくて会えないと伝えられる。張松は曹操の態度に立腹し、彼への見方を改める。

(05)丞相府(じょうしょうふ)

程昱が曹操に、5日間も待たせている張松に会うよう勧める。曹操は、張松に会わなかったのは来訪の意図がつかめなかったためだと明かし、合点がいったので翌日に会うと告げる。

翌日、張松は丞相府の門前にやってくるが、係の者は取り次ごうとしない。張松はあきれながらも従者から袖の下を渡させ、ようやく中に入れてもらう。

曹操は横になったまま張松を迎え、何度も名前を間違えるなど無礼な態度で応対する。そのうえ張松の言葉に腹を立て、途中で退席してしまう。

ここで張松が曹操に、「南に孫権(そんけん)、北に張魯、西には劉備……」と言っていた。曹操の支配地域から見れば、「北に張魯」というのはおかしい。仮に劉璋の益州から見ても、張魯以外は方向がおかしい。

曹操が程昱に、2日のうちに許都の軍勢から精鋭3万を選び、西の調練場に集めるよう命ずる。自ら訓練の様子を見るという。

程昱が、許都には2万ほどの兵しかいないことを伝えると、曹操は鄴都(ぎょうと)や洛陽(らくよう)からでも搔(か)き集めるよう命ずる。

(06)西の調練場

曹操が改めて張松と会う。曹操は兵力を背景に圧力をかけるが、張松は屈せず、曹操のこれまでの敗戦を挙げて皮肉る。

ここで張松が挙げたうち、「宛城(えんじょう)にて張繡(ちょうしゅう)と戦ったときもしかり」と「渭水にて舟に逃げ、矢を避けた折もしかり」のふたつについてはこのドラマで触れられておらず、これだけだとわかりにくいと思う。

曹操は張松を斬るよう命ずるが、程昱と楊修(ようしゅう)になだめられる。結局、張松は棒叩きの刑を受けて追い出された。

(07)丞相府

程昱が曹操から尋ねられ、張松が許都から出ていったことを伝える。

曹操はわざと張松を怒らせた意図を明かす。劉璋のもくろみである張魯討伐を請け負うわけにはいかないが、断るわけにもいかない。どうにもならないので張松を怒らせて追い返したのだと。

(08)兗州(えんしゅう)の境

張松が劉備の命を受けた龐統(ほうとう)・関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)に出迎えられる。張松は龐統の勧めに従い荊州へ向かう。

(09)荊州 襄陽(じょうよう)

劉備が諸葛亮(しょかつりょう)とともに城門の前で張松を出迎え、そのあと酒宴を催す。

管理人「かぶらがわ」より

曹操の離間策にかかり韓遂と決別した馬超。益州の主を入れ替えようと動く法正と張松。

曹操に追い返された張松を、タイミングよく荊州へ招く劉備。おもてなし作戦は劉備の得意とするところですね。

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