『三国志 Three Kingdoms』の考察 第22話「三兄弟離散す(さんきょうだいりさんす)」

曹操(そうそう)の計にかかった劉備(りゅうび)は、徐州(じょしゅう)からおびき出されて大敗を喫する。

劉備は張飛(ちょうひ)や趙雲(ちょううん)をはじめ、下邳(かひ)を守っていた関羽(かんう)とも別れ別れになる。単騎で逃げ走る途中、ついに乗馬も倒れて自決を覚悟するが……。

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第22話の展開とポイント

(01)丞相府(じょうしょうふ)

吉平(きっぺい)が曹操を罵り続けた後、兵士の手を振り切り、自ら柱に頭をぶつけて死ぬ。

曹操は慶童(けいどう。董承〈とうしょう〉の奴僕〈どぼく〉)を連れてくるよう命じ、董承の前で吉平との密談の内容を話させる。

曹操は慶童にふたつの罪(主の妾〈めかけ〉と密通したことと、主の話を盗み聞きしたうえ密告までしたこと)を問い、処刑するよう命ずる。

曹操のもとに、董承の将軍府で見つかったという血判状が届けられる。

曹操は、車騎将軍(しゃきしょうぐん)董承、西涼刺史(せいりょうしし)馬騰(ばとう)、長水校尉(ちょうすいこうい)种輯(ちゅうしゅう)、左将軍(さしょうぐん)劉備の名を読み上げる。

西涼は地域の通称なので西涼刺史はいない。涼州刺史(りょうしゅうしし)ならわかるが……。

(02)許宮(きょきゅう)

曹操が武装して宮殿に乗り込む。

曹操は献帝(けんてい)に血詔を示し、董承の娘の董貴妃(とうきひ)を縊殺(いさつ)させる。献帝は董貴妃が懐妊していると言って助命を乞うが、聞き入れてもらえなかった。

献帝が曹操に迫られ、彼の娘の曹貴人(そうきじん)を皇后に立てる。

このあたりでは殺された董貴妃が皇后だったかのように描かれていた。伏皇后(ふくこうごう)はどうしたのだろうか?

曹操が軍勢をひきいて徐州へ向かう。

曹操の出発シーンで城門に許昌(きょしょう)とあったが、この時点で許(許城)ではなく許昌とするのは時期尚早かも?

(03)徐州

劉備が先祖に曹操討伐を誓っていたところへ、曹操が軍勢をひきいて到着。劉備は再び糜芳(びぼう)を遣わし、許攸(きょゆう)を通じて袁紹(えんしょう)に面会を求めるよう命ずる。

曹操と劉備が徐州の城門の前で言葉を交わす。

(04)袁紹の軍営

糜芳が許攸に会い、曹操が20万の軍勢で徐州を攻めていることを伝え、援軍の派遣を求める。

許攸が袁紹に許都への奇襲を進言する。しかし袁紹は、陣中で病に倒れた幼い息子のことが気になり決断を下せない。

このシーンで袁紹の幼い息子が登場したが、誰を想定しているのかわからなかった。後に出てくる袁尚(えんしょう)でないことは確かだが……。

失望した許攸は袁紹を罵り、棒叩き20回の罰を受ける。

(05)下邳

徐州が包囲されてから数日後、下邳を守っていた関羽は曹操軍への奇襲を提案するが、孫乾(そんけん)に説かれて思いとどまる。

(06)徐州

劉備のもとに糜芳が戻り、袁紹が出兵しないことを伝える。

(07)曹操の軍営

曹操が劉備の考えを読み、夜襲に備えて守りを倍増させたうえ、曹仁(そうじん)に伏兵の手配を命ずる。

劉備は曹操の計にかかり、徐州からおびき出される。劉備は曹操の本陣に夜襲を仕掛けて大敗を喫する。

(08)徐州の郊外

劉備が張飛や趙雲とはぐれ、ついに単騎となって逃げ続けたものの、やがて乗馬が倒れる。劉備は自決を覚悟するが、そこへ許攸が兵をひきいて駆けつける。

管理人「かぶらがわ」より

吉平の壮絶な憤死と慶童の自業自得の死。加えて董貴妃の凄惨(せいさん)な死。

もし袁紹が手薄な許都を急襲していたら――。許攸でなくとも、このタラレバは気になりますね。

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記事作成にあたり参考にさせていただいた各種文献の詳細は三国志の世界を理解するために役立った本(参考文献リスト)をご覧ください。

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