桓階(かんかい) ※あざなは伯緒(はくしょ)、魏(ぎ)の安楽郷貞侯(あんらくきょうていこう)

【姓名】 桓階(かんかい) 【あざな】 伯緒(はくしょ)

【原籍】 長沙郡(ちょうさぐん)臨湘県(りんしょうけん)

【生没】 ?~?年(?歳)

【吉川】 第034話で初登場。
【演義】 第007回で初登場。
【正史】 登場人物。『魏書(ぎしょ)・桓階伝』あり。

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曹丕(そうひ)を推して曹操(そうそう)父子の信任を得る、安楽郷貞侯(あんらくきょうていこう)

父は桓勝(かんしょう)だが、母は不詳。桓超(かんちょう)は祖父。桓彝(かんい)と桓纂(かんさん)は弟(どちらが年長なのかは不明)。桓祐(かんゆう)と桓嘉(かんか)を始めとし、ほかにも息子がいたことがうかがえる。

桓階は初め郡の功曹(こうそう)を務めた。

長沙太守(ちょうさたいしゅ)の孫堅(そんけん)から孝廉(こうれん)に推挙され、尚書郎(しょうしょろう)となったものの、父の死に遭い郷里へ帰る。

192年(もしくは191年)、孫堅が襄陽(じょうよう)の劉表(りゅうひょう)を攻めて戦死すると、桓階は危険を冒して劉表のもとへ赴き、孫堅の遺体を乞い受けた。

199年、曹操と袁紹(えんしょう)が官渡(かんと)で対峙(たいじ)すると、劉表は荊州(けいしゅう)を挙げて袁紹に呼応した。

このとき桓階は長沙太守の張羨(ちょうせん)に、劉表に同調せず、曹操に付くよう勧める。

同意した張羨は、長沙および近隣の3郡(武陵〈ぶりょう〉・零陵〈れいりょう〉・桂陽〈けいよう〉)をこぞって劉表に抵抗する。

曹操は張羨が味方に付いたことを非常に喜んだものの、まだ袁紹との戦が続いていて南進できずにいた。

そのうち劉表の急襲を受けて張羨が病死。長沙が陥落すると桓階は身を隠した。

しばらく経つと桓階は劉表に召され、従事祭酒(じゅうじさいしゅ)に任ぜられる。

さらに劉表から妻の妹の蔡氏(さいし)を娶(めと)るよう言われたが、すでに結婚しているからと拒否し、これを機に病気を理由に退官した。

208年、曹操が荊州を平定すると、かつて桓階が張羨のために策を立てたことを聞き、召し出して丞相掾主簿(じょうしょうえんしゅぼ)に任ずる。

その後、桓階は趙郡太守(ちょうぐんたいしゅ)に昇進した。

213年、魏が建国されると、桓階は虎賁中郎将(こほんちゅうろうしょう)・侍中(じちゅう)となる。このころ太子は決まっておらず、臨菑侯(りんしこう。214~221年)の曹植(そうしょく)が寵愛されていた。

しかし、桓階は五官中郎将(ごかんちゅうろうしょう。211~217年)の曹丕の徳をたたえ、年齢も上であるから太子とすべきだと繰り返し上言した。

これは公の席での忠言だったり、内密の諫言だったりしたが、前後にわたって懇切を極めるものだったという。

また、毛玠(もうかい)や徐奕(じょえき)は剛直なため仲間が少なく、西曹掾(せいそうえん)の丁儀(ていぎ)によく思われていなかった。

たびたび丁儀は彼らの欠点をあげつらったが、桓階が弁護することでふたりの安全を保っていた。

桓階は他人の美点を後押しして伸ばし、欠点を矯正して補うことが多かった。そのうち尚書に昇進し、官吏の選抜を担当する。

219年、樊城(はんじょう)の曹仁(そうじん)が劉備(りゅうび)配下の関羽(かんう)に包囲されると、曹操は徐晃(じょこう)を救援に差し向けたが、なおも包囲は解けなかった。

曹操は自ら南方へ赴こうと考え、群臣の意見を求める。

みな賛成したが、桓階だけは、王(曹操)が六軍(りくぐん。天子〈てんし〉の軍)を押さえて余力を示されれば十分だと言う。

そこで曹操は摩陂(まひ)に軍勢を留め、結局は関羽らも包囲を解いて引き揚げた。

翌220年、曹丕が帝位に即くと、桓階は尚書令(しょうしょれい)に昇進。高郷亭侯(こうきょうていこう)に封ぜられ、侍中の官位も加えられる。

桓階が病気になると、曹丕は自ら見舞って励ます。

その後、桓階は安楽郷侯(あんらくきょうこう)に移封され、封邑(ほうゆう)600戸を賜る。

併せて3人の息子が関内侯(かんだいこう)に封ぜられ、先に病没した嗣子の桓祐にも関内侯の爵位が追贈された。

やがて桓階が危篤に陥ると、曹丕は病床に勅使を遣わし太常(たいじょう)に任命。

そして桓階が死去(時期は不明)すると涙を流し、貞侯(ていこう)と諡(おくりな)した。息子の桓嘉が跡を継いだ。

管理人「かぶらがわ」より

もし曹丕ではなく曹植が太子になっていたら、漢(かん)の滅亡は少しだけ延びていたかもしれません。

ただ、曹丕との間で暗闘が繰り広げられるのは確実ですから、魏の弱体化も早まったのでしょう。

群雄諸侯の跡継ぎ問題では両派に分かれての激闘がよく見られますけど、やはり曹操は袁紹や劉表とは違いますね。

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