劉弘(りゅうこう)A ※劉靖(りゅうせい)Cの息子

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【姓名】 劉弘(りゅうこう) 【あざな】 叔和(しゅくか)? ※正しくは「季和(きか)」か?

【原籍】 沛国(はいこく)相県(しょうけん)

【生没】 236~306年(71歳)

【吉川】 登場せず。
【演義】 登場せず。
【正史】 登場人物。

劉公の一紙は10組の従事(じゅうじ。官名)にも勝る

父は劉靖(りゅうせい)だが、母は不詳。劉馥(りゅうふく)は祖父。劉熙(りゅうき)は兄。劉璠(りゅうはん)という息子がおり、夏侯陟(かこうちょく)に嫁いだ娘もいた。

劉弘は晋(しん)の司馬炎(しばえん)と同い年で、同じ里(まち。洛陽〈らくよう〉の永安里〈えいあんり〉)に住んでいたことがあった。この時の誼(よしみ)もあって、のち高位に昇ることになる。

劉弘には父と同じく名声があったが、それに見合うだけの政治的な才能を持っていた。晋(西晋)末には「車騎大将軍(しゃきだいしょうぐん)・開府(かいふ)・荊州刺史(けいしゅうのしし)・仮節(かせつ)・都督荊広交州諸軍事(ととくけいこうこうしゅうしょぐんじ)」となり「新城郡公(しんじょうぐんこう)」に封ぜられた。

彼が長江(ちょうこう)や漢水(かんすい)一帯に在任していたころ、晋の帝室は多難な時代を迎える。だが、そのような状況にあっても劉弘は一方面の政治や軍事を任せられ、よく才能を発揮した。部下に対しても真心を尽くし、公正な道義をもって督励したうえ、裁判の簡略化に取り組み、農業や蚕業(さんぎょう)の振興を図った。

そして、民の徴発があるたびに管轄下の郡国へ自筆の文書を送り、丁寧に説明した。これに感じ、みな取る物も取りあえず駆けつけてきたという。その様子は「劉公(劉弘)の一紙をもらうことは、10組の従事を遣わすより効果がある」とまで評されたほど。

このころ司馬衷(しばちゅう。晋の恵帝〈けいてい〉)は長安(ちょうあん)にあったが、劉弘に自分の判断で配下の首長を起用することを認めた。

そこで劉弘は徴士(ちょうし。朝廷から招かれながらも仕えない、徳の高い人)の伍朝(ごちょう)を「零陵太守(れいりょうのたいしゅ)」に、牙門将(がもんしょう)の皮初(ひしょ)を「襄陽太守(じょうようのたいしゅ)」に、それぞれ起用したいと上書する。

詔(みことのり)が下り、襄陽は重要な郡であるから皮初では資質や名声が足りないとして、劉弘の婿の夏侯陟に治めさせよとあった。しかし劉弘は、皮初の勲功を評価すべきであるとして改めて上奏し、ついに聴許を得た。人々は彼の公正さにますます心服する。

のち司馬衷が都の洛陽から落ち延びて四方が麻のごとく乱れると、広漢太守(こうかんたいしゅ)の辛冉(しんぜん)が劉弘に、地方の権力者と連合し天下を狙うべきだと進言した。これを聞いた劉弘は怒り、辛冉を斬り捨てる。彼の態度を褒めたたえない者はなかったという。

当時は天下が乱れていたものの、荊州だけは安定を保っていた。劉弘には長江や漢水一帯を保有した(うえで誰にも付こうとしなかった)劉表(りゅうひょう)と同じ思いがあったので、太傅(たいふ)の司馬越(しばえつ)に付かなかった。

そのため司馬越から非常に恨まれることになったが、そうしているうち(306年に)劉弘は病死した。

管理人「かぶらがわ」より

上で挙げた記事は、『三国志』(魏書〈ぎしょ〉・劉馥伝)の裴松之注(はいしょうしちゅう)に引く孫盛(そんせい)の『晋陽秋(しんようしゅう)』および傅暢(ふちょう)の『晋諸公賛(しんしょこうさん)』によるものです。

また『三国志』(蜀書〈しょくしょ〉・諸葛亮伝〈しょかつりょうでん〉)の裴松之注に引く王隠(おういん)の『蜀記(しょくき)』には、晋の永興(えいこう)年間(304~305年)に鎮南将軍の劉弘が隆中(りゅうちゅう)を訪ねて諸葛亮の旧宅を見学したという話があり、このとき石碑を建て村を顕彰し、その文章を太傅掾(たいふえん)の李興(りこう)に作らせたともありました。

これは諸葛亮が陣没した234年から70年ほど後のことになります。もう比較的近い時代の偉人として、彼の活躍は伝説化されていたのでしょうか? 「あの諸葛亮が隆中にいたころ使っていた○○」、などというものが土産物屋の店先に並んでいたりして……。

なお、唐代(とうだい)に編纂(へんさん)された『晋書(しんじょ)』には「劉弘伝」があるようですけど、その内容を比較検討できていないため、この記事も非常に中途半端なものになってしまいました。いずれ手直しできればいいなと思います。

『晋書』(恵帝紀〈けいていぎ〉)からは、劉弘の官職の変遷などが少しうかがえただけでした。事績が晋代にかかっている人物については扱い方が難しいですね。

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