淩統(りょうとう)

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【姓名】 淩統(りょうとう) 【あざな】 公績(こうせき)

【原籍】 呉郡(ごぐん)余杭県(よこうけん)

【生没】 189~217年?(29歳?)

【吉川】 第135話で初登場。
【演義】 第015回で初登場。
【正史】 登場人物。『呉書(ごしょ)・淩統伝』あり。

15歳から孫権(そんけん)に仕え、各地の討伐で活躍

父は淩操(りょうそう)だが、母は不詳。淩烈(りょうれつ)と淩封(りょうほう)という息子がいた。

203年、父の淩操は孫権に付き従い江夏(こうか)の黄祖(こうそ)討伐に加わり、夏口(かこう)への一番乗りを果たす。そして敵の先鋒を撃破したものの、当時は黄祖の配下にいた甘寧(かんねい)の矢を受け戦死した。

このとき淩統は15歳だったが、孫権の側近に彼の資質を評価する者がいて、孫権自身も淩操が国事に殉じたことを思い、淩統を「別部司馬(べつぶしば)」に任じたうえ「破賊都尉(はぞくとい)」を代行させ、淩操配下の兵の指揮を継がせる。

206年、淩統は山越(さんえつ。江南〈こうなん〉に住んでいた異民族)の不服従民の討伐に参加。孫権は保屯(ほとん)を攻略しただけで先に帰還し、なお麻屯(まとん)には1万の敵が残っていた。

淩統は督(とく)の張異(ちょうい)らとともに麻屯を包囲し、日を決めて総攻撃をかける手はずを整える。

この間に督の陳勤(ちんきん)と酒を飲む機会があったが、宴会の主人役となった陳勤は傍若無人な態度を取り続け、亡き淩操のことまで持ち出し淩統を侮辱した。

その場では涙するのみで言い返さなかった淩統も、ついにこらえきれなくなり、散会後に陳勤に斬りつけてしまう。陳勤は数日して死んだ。

麻屯へ総攻撃をかける日が来ると、淩統は「死をもって(主君の家臣を勝手に殺した)罪を詫びるしかない」と言い、士卒を励まし自ら矢面に立つ。淩統の部隊はすぐさま麻屯の一面を攻め破り、勝ちに乗じた諸将も敵を大破することができた。

淩統は帰還後に軍正(ぐんせい。軍の目付け役)のもとに出頭し拘禁されたが、孫権は彼の剛毅さを認め、今後の手柄で罪を購えるよう取り計らう。

208年、孫権が再び江夏へ進攻すると、淩統は先鋒として黄祖配下の張碩(ちょうせき)を斬るなどし、自軍の大勝に貢献した。

この年、淩統は「承烈都尉(しょうれつとい)」に任ぜられ、周瑜(しゅうゆ)らとともに烏林(うりん)で曹操軍(そうそうぐん)を破る(「赤壁〈せきへき〉の戦い」)。続いて南郡(なんぐん)の曹仁(そうじん)を攻め、一連の功により「校尉(こうい)」に昇進した。

214年、淩統は孫権に付き従い皖(かん)を攻め、敵の撃破に貢献し「盪寇中郎将(とうこうちゅうろうしょう)」に任ぜられ「沛国相(はいこくのしょう)」を兼ねる。

さらに呂蒙(りょもう)らとともに西進し3郡を攻略。益陽(えきよう)から帰還すると、翌215年の合肥(ごうひ)遠征にも加わり「右部督(ゆうぶとく)」を務めた。

このとき孫権は撤退を命じたが、先発部隊が出発した後、逍遥津(しょうようしん)の北で曹操配下の張遼(ちょうりょう)の急襲を受ける。

先発部隊を呼び戻そうとしたものの間に合わず、淩統は300の近習を指揮して包囲を崩し、孫権を危地から救い出す。この功によって「偏将軍(へんしょうぐん)」に昇進し、これまでの倍の兵士を与えられた。

淩統が、山岳地帯に住む者の中には勇敢な者も多く、威圧したり恩恵を施したりすれば、彼らを味方につけることができると述べたところ、孫権は彼に処置を任せた。

217年?、淩統は任務を終え帰還する途中で病死。孫権は、知らせを受けると牀(しょう。寝台)から跳ね起きて座り直し、悲しみに暮れたという。

また数日は食事も進まず、淩統の話が出るたび涙を流した。張承(ちょうしょう)に命じ銘誄(めいるい。故人の功績をたたえる文)を作らせたりもした。遺児の淩烈と淩封は孫権に引き取られ、宮中で養育されることになった。

管理人「かぶらがわ」より

本伝によると、淩統は遠征中も賢者や有能な人物との付き合いを深め、財物を軽んずる一方で信義を重んじ、国士の風があったそうです。逍遥津で孫権の危機を救ったひとりでもあり、彼の遺児が宮中で養育されたのも納得。

本伝には49歳で病死したとありましたが、参考文献に挙げた『正史三國志群雄銘銘傳(せいしさんごくしぐんゆうめいめいでん)(増補・改訂版)』では『三国志集解(さんごくししっかい)』が採り上げている陳景雲(ちんけいうん)の説を挙げたうえ、淩統が(237年に)49歳で亡くなったとした場合の矛盾点を指摘し、おそらく「49歳」は「29歳」の誤りだろうとの見方が示されていました。原文に誤記の可能性があるというのは、なかなか厄介ですよね……。

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