『三国志 Three Kingdoms』の考察 第12話「呂布、小沛に留まる(りょふ、しょうはいにとどまる)」

陶謙(とうけん)の遺託に応える形で、徐州(じょしゅう)を預かることになった劉備(りゅうび)。

その徐州を、兗州(えんしゅう)で曹操(そうそう)に敗れた呂布(りょふ)が頼ってきたため、劉備は州境の小沛(しょうはい)に迎え入れる。

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第12話の展開とポイント

(01)曹操の軍営

曹操のもとに劉備から書簡が届き、陶謙との講和を勧められる。

曹操が徐州城を陥した後、民を皆殺しにするよう命ずる。

続いて曹操のもとに、兗州が呂布の奇襲を受けたとの知らせが届く。この際、陳宮(ちんきゅう)が呂布の軍師になったこともわかる。

曹操は、劉備の顔を立てた形にして陶謙と講和を結び、全軍に撤退を命ずる。

(02)徐州

陶謙が劉備に深い謝意を表し、再び徐州を譲ろうとする。またも劉備は断るが、陶謙の勧めに従い、州境の小沛に留まることは承諾する。

陶謙が病床に劉備を呼び、曹操が半日で呂布を撃破したとの知らせが届いたことを伝える。陶謙はこの場でみたび徐州を譲ろうとし、ようやく劉備も徐州を預かることを承諾。

ほどなく陶謙が病死し、葬儀が執り行われる。その最中、曹操に敗れた呂布が軍勢をひきいて西門に現れる。

劉備は皆の反対を退け、呂布らを徐州に受け入れたうえ、彼らを招いて酒宴を催す。

この席で呂布が皆に、滎陽(けいよう)で曹操を討ち損なった話をしていた。ドラマには徐栄(じょえい)が登場しないが、吉川『三国志』、『三国志演義』、正史『三国志』のいずれも、滎陽で曹操を打ち負かした件は徐栄の手柄が大きいと記している。

また、ここで劉備が呂布のことを、「天子(てんし。献帝〈けんてい〉)より奮威将軍(ふんいしょうぐん)に封ぜられ、儀同三司(ぎどうさんし。三公並みの格式が与えられ開府が許される)の要職にも就いておられる」と言っていた。先の第10話(03)で呂布は奮威将軍に任ぜられたことになっていたが、儀同三司には触れられていない。

劉備が呂布に徐州を譲ると申し出る。しかし呂布は陳宮に制止され、徐州刺史(じょしゅうしし。徐州牧〈じょしゅうぼく〉)の印を受け取らなかった。

(03)兗州

曹操が荀彧(じゅんいく)に徐州攻めを相談する。荀彧は、劉備と呂布が争いを起こすまで待つよう勧め、冷静さを取り戻した曹操も進言を容れる。

(04)徐州 呂布邸

呂布が劉備を酒宴に招く。

このとき貂蝉(ちょうせん)が劉備の前で歌舞を披露していた。呂布の妻ともあろう者が、客の前で舞うというのはどうなのだろうか?

張飛(ちょうひ)が宴席に乗り込み呂布を罵る。この場は劉備が謝罪して収めるが、呂布は徐州を出ると言う。そこで劉備は小沛への駐留を勧め、呂布も承諾する。

(05)兗州

曹操のもとに長安(ちょうあん)の董承(とうしょう)の密使が着き、詔書を手渡す。

管理人「かぶらがわ」より

呂布が兗州を攻めたことで曹操が徐州からの撤退を決意し、結果的に劉備の書簡が功を奏したことになる。ここでも、何か持ってます感を漂わせていた劉備。

呂布が現れると波乱が起こります。裏表がなくてわかりやすいからか、何だか憎めないキャラクターですね。

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記事作成にあたり参考にさせていただいた各種文献の詳細は三国志の世界を理解するために役立った本(参考文献リスト)をご覧ください。

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