吉川『三国志』の考察 第016話「故園(こえん)」

代州(だいしゅう)の劉恢(りゅうかい)の屋敷を出た劉備(りゅうび)・関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)の3人は、しばらく別れて身を隠すことにした。

劉備は楼桑村(ろうそうそん)に帰ったものの、気丈な母から意外な叱責を受ける。

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第016話の展開とポイント

(01)代州 劉恢邸

翌日、劉備らは劉恢邸を去る。

劉恢の厚意により、ここへ来たとき連れていた20人の兵や下僕(しもべ)は預かってもらえることになった。そのうえで劉備・関羽・張飛の3人は思い思いに別れ、一時、身を隠すことにした。

(02)州境の道標

劉備はひとまず郷里の涿県(たくけん)へ行くと言い、8月にこの五台山下(ごだいさんか)での再会を約束すると、関羽と張飛もそれぞれ三方の道へ別れていった。

(03)涿県 楼桑村 劉備の家

数年ぶりに帰ってきた劉備。母の姿を見て無沙汰を詫びるが、かえって心の弱さを叱責されてしまう。劉備は母の叱咤(しった)激励を受けて気持ちを入れ替え、ひと晩だけ実家に泊まることを許された。

ここで母が「もうそなたも30に近い男児」と言っていた。先の第1話(01)から3、4年ほど経ったことをうかがわせるが、いまだ西暦などで何年の設定なのかはっきりしない。

管理人「かぶらがわ」より

この第16話はつなぎ的な役割のようです。劉備の母さんも苦労続きのわりには意外と元気。

ここも吉川先生の創作なのでしょうね。もちろん小説としてはおもしろいのですけど、結果的に劉備を持ち上げすぎているかもしれません。

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『三国志』(全10巻)
吉川英治著 新潮社 新潮文庫
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記事作成にあたり参考にさせていただいた各種文献の詳細は三国志の世界を理解するために役立った本(参考文献リスト)をご覧ください。

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