官渡(かんと)における初戦で曹操(そうそう)に敗れた袁紹(えんしょう)は、劉備(りゅうび)の助勢もあって命拾いした。
ここで袁紹は先に投獄した田豊(でんぽう)のことを思い出し、いったんは彼を迎えに行くよう命ずるが――。
第28話の展開とポイント
(01)江東(こうとう)
孫策(そんさく)のもとに、曹操と袁紹が官渡で一戦を交えているとの報告が届く。孫策は許都(きょと)への奇襲を画策する。
(02)官渡の戦い ※前の第27話からの続き
袁紹が退却。その途中、劉備が5千足らずの兵をひきいて現れ、袁紹を先へと逃がす。
★ここで劉備が汝南(じょなん)から駆けつけるのは地理的に無理がある。曹操の支配下の兗州(えんしゅう)をどうやって通り抜けたのか? ただ、このドラマは『三国志演義』の設定を踏襲しているようなので、こういう描き方になるのも仕方ないと思う。
(03)袁紹の軍営
袁紹が郭図(かくと)の言葉で田豊のことを思い出し、冀州(きしゅう)で投獄していた田豊を迎えに行くよう命ずる。
しかし、ほどなく袁紹は許攸(きょゆう)の讒言(ざんげん)を信じ、一転して田豊の処刑を命ずる。
袁紹のもとに官渡の敗残兵が再結集し、その数は40万程度になる。袁紹は5日の間に戦に備えるよう全軍に命ずる。
(04)冀州
袁紹の命を受け、田豊が遺書を残して自害する。
(05)曹操の軍営
曹操が曹仁(そうじん)から戦果の報告を受ける。曹操は曹仁に、なお袁紹が4、50万の兵馬を有していることに触れ、自軍の兵糧が10日分ほどしか残っていないと打ち明ける。
(06)許都
荀彧(じゅんいく)のもとに、曹操から軍の進退について意見を求める書簡が届く。荀彧は曹操の真意を読み解いたうえ、あえて進軍を勧める返書を届けさせる。
(07)曹操の軍営
曹操のもとに荀彧の返書が届く。曹操は全軍に戦に備えるよう命じ、徐州(じょしゅう)へ密使を遣わして兵糧を調達させる。
(08)曹操の軍営付近
偵察に来ていた許攸が曹操の軍営から出た密使を殺させ、持っていた密書を手に入れる。
(09)袁紹の軍営
郭図が袁紹に現状の兵力について説明。騎馬軍8万、歩兵軍25万、水軍10万、合わせて43万だと。そのうえ兵糧も100日は持つとも。
袁紹は全軍に10日で兵を整えるよう命じ、曹操を滅ぼすと伝える。
★出陣前も水軍に触れていたが、官渡の戦いのどのあたりで使われていたのか見えなかった。
また郭図は袁紹に、鄴郡太守(ぎょうぐんたいしゅ)からの報告として、許攸の子が横領したため納めるべき兵糧が3万ほど不足し、支障が出たと伝える。
さらに、許攸の子が牢内で父親が関知していることを白状し、横領した兵糧は父親の屋敷の修繕に充てたようだ、とも伝える。
袁紹は戦が終わった後で精査し、重罰に処すことを決める。
ちょうど許攸が現れ、袁紹に曹操の密書を見せたうえ、軍をふた手に分けて10万の兵馬で官渡の敵陣を攻め、残り30万の精鋭で許都に奇襲をかけるよう進言する。
しかし、郭図が「すべては曹操の狙いである」と言うと、袁紹は許攸の進言を退けた。
そこへ田豊が自害したとの報告と遺書が届けられる。遺書の内容は、許攸が曹操と旧知の仲であることを指摘して批判するものだった。
★ここで許攸が袁紹に、「私と曹操の故郷は2里と離れておりません……」と話していた。許攸は南陽郡(なんようぐん)の出身なので、沛国(はいこく)譙県(しょうけん)の出身である曹操の故郷と、2里と離れていないことはあり得ない。一方で「幼いころともに学びましてございます……」は、あり得ないとまでは言えない。
(10)曹操の軍営
曹操のもとに、許攸が訪ねてきたとの知らせが届く。
管理人「かぶらがわ」より
官渡で大敗を喫しても、なお大軍を擁する袁紹。武器や兵糧は後方から補給が可能で、まだまだ曹操より有利な立場。
第28話では田豊の報われなさがよく出ていたと思います。このドラマでは脇役の描写に見どころが多いですね。
コメント ※下部にある「コメントを書き込む」ボタンをクリック(タップ)していただくと入力フォームが開きます