吉川『三国志』

(09) 出師の巻

吉川『三国志』の考察 第255話「白帝城(はくていじょう)」

新たな呉軍(ごぐん)の総司令官として猇亭(おうてい)に着任した陸遜(りくそん)は、出撃したがる年長の諸将を粘り強く説得して引き留め、蜀軍(しょくぐん)を殲滅(せんめつ)する機会をうかがっていた。 そして劉備(りゅうび)が水軍に軸足を移すと、...
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吉川『三国志』の考察 第254話「一書生(いちしょせい)」

和睦の使者として遣わした程秉(ていへい)が追い返されたことから、孫権(そんけん)は劉備(りゅうび)の決意の固さを思い知る。 呉(ご)の重臣たちは蜀軍(しょくぐん)の勢いに恐れをなすが、このとき闞沢(かんたく)は、荊州(けいしゅう)にいる陸遜...
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吉川『三国志』の考察 第253話「慰霊大望(いれいたいぼう)」

猇亭(おうてい)で勝利を収め、呉軍(ごぐん)を追撃する途中、関興(かんこう)は父の敵(かたき)である潘璋(はんしょう)に出くわす。 関興は潘璋を追いかけて山中に入るも、道に迷ったうえ夜を迎える。そこで一軒の山家に泊めてもらったが、やがて同じ...
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吉川『三国志』の考察 第252話「冬将軍(ふゆしょうぐん)」

快進撃を続ける蜀軍(しょくぐん)は、陣中で章武(しょうぶ)2(222)年の正月を迎えた。劉備(りゅうび)の述懐を聞いた黄忠(こうちゅう)は、もうひと働きせんとばかりに、わずか10騎ほどで呉陣(ごじん)へ向かう。 黄忠は、潘璋(はんしょう)の...
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吉川『三国志』の考察 第251話「この一戦(このいっせん)」

孫権(そんけん)は曹丕(そうひ)から呉王(ごおう)に封ぜられたものの、魏(ぎ)は蜀軍(しょくぐん)を牽制(けんせい)するような動きを見せない。 やむなく孫権は、甥の孫桓(そんかん)に副将として朱然(しゅぜん)を付け、総勢5万の軍勢を与えて宜...
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吉川『三国志』の考察 第250話「呉の外交(ごのがいこう)」

張飛(ちょうひ)の首を携えて降った范疆(はんきょう。范彊)と張達(ちょうたつ)の口から、孫権(そんけん)は蜀(しょく)の大軍が迫っていることを聞く。 そこでまず諸葛瑾(しょかつきん)を白帝城(はくていじょう)に遣わし、劉備(りゅうび)の説得...
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吉川『三国志』の考察 第249話「雁のみだれ(かりのみだれ)」

劉備(りゅうび)は75万の大軍とともに東進していたが、野営地で張飛(ちょうひ)の訃報に接する。やむなく陣中にささやかな祭壇を設け、亡き張飛を弔った。 翌日、劉備が出発しようとしたところ、張飛の嫡子の張苞(ちょうほう)が駆けつける。さらに同じ...
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吉川『三国志』の考察 第248話「桃園終春(とうえんしゅうしゅん)」

閬中(ろうちゅう)にいた張飛(ちょうひ)は、劉備(りゅうび)の即位と自身の昇進を聞いて大喜び。さっそく成都(せいと)へ出向いて劉備に会うや、涙ながらに関羽(かんう)の敵(かたき)である孫権(そんけん)討伐を促す。 これを受けて劉備が出兵の大...
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吉川『三国志』の考察 第247話「蜀また倣う(しょくまたならう)」

曹丕(そうひ)が献帝(けんてい)を退けて帝位に即いたことが伝わると、劉備(りゅうび)は痛恨の思いを抱き、激しい憤りを覚える。 初めは難色を示していた劉備も、諸葛亮(しょかつりょう)らの懇願を聞き入れる形で、建安(けんあん)26(221)年4...
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吉川『三国志』の考察 第246話「改元(かいげん)」

曹丕(そうひ)の側近たちから強く迫られ、ついに献帝(けんてい)は、国を譲る旨の詔書を書く。 そして形式的なやり取りを繰り返した末、延康(えんこう)元(220)年10月、繁陽(はんよう)において帝位に即いた曹丕は、国名を「大魏(たいぎ)」と号...
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吉川『三国志』の考察 第245話「私情を斬る(しじょうをきる)」

上庸(じょうよう)の孟達(もうたつ)が魏(ぎ)の曹丕(そうひ)に降ると、同じ城にいた劉封(りゅうほう)のもとに、劉備(りゅうび)から孟達討伐の厳命が届く。 ところが、劉封は襄陽(じょうよう)で魏軍に大敗し、やむなく成都(せいと)へ逃げ帰った...
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吉川『三国志』の考察 第244話「七歩の詩(しちほのし)」

臨淄(りんし)の曹植(そうしょく)のもとに、兄の曹丕(そうひ)から、父の葬儀に参列しなかった罪を問う使者が着く。だが使者は、曹植の側近たる丁儀(ていぎ)や丁廙(ていい)の侮辱を受けて追い返された。 怒った曹丕は、許褚(きょちょ)に命じて曹植...
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吉川『三国志』の考察 第243話「武祖(ぶそ)」

曹操(そうそう)の跡を継ぎ、魏王(ぎおう)となった曹丕(そうひ)は、長安(ちょうあん)から10万の軍勢をひきいて駆けつけた弟の曹彰(そうしょう)と話をつける。 次いで「建安(けんあん)」を「延康(えんこう)」と改元したうえ、鄴都(ぎょうと)...
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吉川『三国志』の考察 第242話「曹操死す(そうそうしす)」

曹操(そうそう)は華陀(かだ。華佗)の治療を拒んだばかりか、投獄して処刑する。 その後、曹操の容体はいくらか持ち直すも、回復に至らず。建安(けんあん)25(220)年正月、66年の生涯を閉じた。 第242話の展開とポイント (01)洛陽(ら...
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吉川『三国志』の考察 第241話「梨の木(なしのき)」

洛陽(らくよう)に留まっていた曹操(そうそう)は、このところ体の不調を訴えることが増えていた。 そこで皆の勧めに従い、新たな宮殿の造営を決め、名工の蘇越(そえつ)に図面を描かせる。蘇越は大殿の棟木に、躍龍潭(やくりょうたん)の淵(ふち)に生...
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吉川『三国志』の考察 第240話「成都鳴動(せいとめいどう)」

関羽(かんう)の最期を聞き、昏絶(こんぜつ)する劉備(りゅうび)。それから数日は食事も取らず、誰とも会おうとしなかった。 それでも諸葛亮(しょかつりょう)に諫められると、気力を奮い起こし、すぐさま孫権(そんけん)討伐の意思を示す。しかし諸葛...
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吉川『三国志』の考察 第239話「国葬(こくそう)」

洛陽(らくよう)にいた曹操(そうそう)のもとに、孫権(そんけん)から関羽(かんう)の首が届けられる。 曹操は、司馬懿(しばい)の進言によって孫権の意図を悟るが、その受け取りを拒むことなく、王侯の礼をもって盛大に関羽の国葬を執り行う。 第23...
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吉川『三国志』の考察 第238話「草喰わぬ馬(くさくわぬうま)」

馬忠(ばちゅう)に捕らえられた関羽(かんう)は、同じく朱然(しゅぜん)や潘璋(はんしょう)に捕らえられた関平(かんぺい)ともども、孫権(そんけん)の前に引き据えられる。 孫権は降伏を勧めるが、あくまでふたりは拒み、ついに並んで首をはねられた...
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吉川『三国志』の考察 第237話「蜀山遠し(しょくざんとおし)」

麦城(ばくじょう)に立て籠もり、上庸(じょうよう)からの援軍を待つ関羽(かんう)。しかし、この間にも傷病者や脱走者が増え続け、もはや手勢は300人ほどになった。 関羽は王甫(おうほ)と100余人の兵士を麦城に留め、自身は関平(かんぺい)らと...
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吉川『三国志』の考察 第236話「月落つ麦城(つきおつばくじょう)」

今や敗将の身となり、逃走を続ける関羽(かんう)。荊州(けいしゅう)の呂蒙(りょもう)に玉砕覚悟で挑もうと考えたが、配下の兵士に脱走者が相次いだことから断念する。 関羽は、4、500人まで減った手勢とともに麦城(ばくじょう)へ入ると、上庸(じ...
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